救急医療を志望する薬学生が増えている!?
近年、救急医療や集中治療の現場で活躍する薬剤師が増加しています。その影響か、数年前から「救急医療に興味があります!」という学生の声を頻繁に聞くようになりました。SNSやインターネットの普及により、救急医療における薬剤師の役割が広く知られるようになったことが背景にあるのでしょう。一昔前までは、救急医療に薬剤師が関わっていること自体があまり知られておらず、志望分野としても認識されていなかったことを考えると、大きな変化を感じます。
「薬学教育モデル・コア・カリキュラム 令和4年度改訂版」では、「周術期、救急、集中治療等における医療チームでの薬学的管理の実践」が学修事項として盛り込まれました。これにより、薬学生は在学中から救急医療に関する知識を学び、臨床の現場でその知識を経験と結びつける準備が整った状態で薬剤師としてスタートできるようになります。そのポテンシャルの高さには大きな期待を感じます。
私自身は、敗血症という言葉を薬剤師3年目で初めて知ったり、心肺停止の波形を理解しないまま心肺蘇生のトレーニングコース(ICLS)に参加し、慌てて赤面しながら学んだ経験があります。これからの薬学生たちは、学びの機会に恵まれ、より早い段階から高度な知識を吸収できる環境が整っており、当時の私とはまさに時代の違いを感じますね。
少子高齢化が進む中、救急医療のニーズは今後ますます高まることが予想されます。救急医療を志す薬剤師が増えることは、日本の医療全体にとっても大きなプラスになると思います。