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命を守る最前線 ~救命センターの薬剤師の一日を追う

救命センターの薬剤師の一日をご紹介します。

ある日の救命センターは、朝から慌ただしい幕開けとなりました。始業と同時に救急搬送の依頼が入り、多職種で情報を共有。薬剤師である私たちは、救急カートの薬剤を念入りに確認し、必要な薬剤を迅速に準備します。サイレンを鳴らして救急車が到着し、搬送されてくる患者さんの多くは一刻を争う状態。迅速かつ正確な対応が求められる中、医師や看護師とともに初期対応に全力を尽くします。

救急外来での初期診療を終えた患者さんがICUへ入室し、ほっと一息つく間もなく、カテーテル室で容態が急変し、急変対応の要請が入ります。救命センターの薬剤師は他の医療スタッフに比べて少数で、「手が足りない!」と感じることも多々あります。それでも、「頼ってくれてありがとう、少しでも力になりたい!」という思いを胸に、どんな時も全力でサポートを続けます。

患者対応と並行して、ICUに入室した患者さんの薬物治療も確認します。投与量や投与方法、薬物の相互作用や副作用について詳細にチェックし、医師と協議を重ねつつ、より効果的で安全な治療法を提案します。患者さんの病状は刻々と変化するため、その変化に応じた薬物治療の最適化が重要です。


ICUでの処方確認が一段落したと思ったのも束の間、院内急変のRRS(Rapid Response System)の要請が入ります。薬剤師としてMET(Medical Emergency Team)の一員となり、すぐさま現場に駆けつけます。馴染みのない病棟での対応は困難なこともありますが、病棟担当の薬剤師がサポートしてくれることが多く、その協力体制は非常に心強い存在です。

今日は薬学生の実習日でもありました。慌ただしい一日を間近で見学した薬学生からは、実習時間を過ぎても「もっと患者対応を学びたい、様々なことを教えてほしい」と求められ、私たちも「もちろんOK!」と即答しました。未来の薬剤師を育てることも、私たちの重要な役割の一つです。

救命センターでの業務は常に緊張感との戦いですが、チーム医療の一員として患者さんの命を守ることに、何物にも代えがたい充実感と誇りを感じています。明日もその使命を胸に、全力で現場に立ち続けます。


今回ご紹介したのは、救命センターの一例としての忙しい一日です。日によって業務量は異なりますので、ご了承ください。


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