震える体
幻覚や妄想をなくす精神科の薬の中には、手や腕の震えが副作用で出るものがあります。
震え以外だと、外出中に突然目が上転する。身体が自分の意思でなくねじれていく。といった副作用があります。
普通に知り合いと会話したり、何かの活動をしている時に震えてしまうと、周りの人が ”どうしたの、大丈夫⁈” とまじに心配してくれます。もちろん、心配してくれる人には悪気は全くありません。「それが辛くて、あんまり外に出たくないですね。」と副作用のでる患者さんはいいます。
この副作用は薬剤性パーキンソニズムといいます。
一人一人の個性で、この副作用が出やすい薬が個人によって違うことが私も長年の経験上、分かってきました。また、飲み薬よりも筋肉注射で2週間から1ヶ月効く薬剤に多い印象です。この副作用を出す薬を見当をつけて、減らしつつ、代わりに幻覚妄想の症状を消す違う薬に置き換えていく。
これは効きます、かなりの確率で効く。「震えて辛い、恥ずかしいんです」と、主治医に是非お願いしていいと思います。”しょうがないよ” なんていう主治医とはサヨナラして下さい。
副作用治療を始めると、なんとなく暗かった顔が、外来に来るたび来るたび明るくなっていく。
身体が勝手に震えない、動かない、そんな私達に当たり前の事がとても幸せなんだと、60才は過ぎた方ですが、子どもの様な笑顔でした。