核からのサバイバル。プレッパーのススメ ~物資備蓄・水、食糧編~
行政の助けは来るかどうかも定かではない。
備蓄物資自体や行政の人間が被災する可能性だってあるし、戦争なら敵の迎撃が優先されるので自衛隊の助けもあるかどうかもわからない。
ピンチのとき、どこからともなく助けが来るのはドラマだけ。
生き延びるために必要な物資は自分で用意しよう。
水
飲用だけではなく、調理にも必須だし、生活用水も必要。
放射性物質の洗浄にも大量に安全な水がいる。
政府広報等で明記されている1日2リットルではとても足りない。
物理的なサイズを圧縮する方法はないので、備蓄できるのは精々数日分程度だろう。
いずれはどこからか水を入手しなければならない。とはいっても雨水や河川の水を直接使うのは論外。
何かしらの方法で浄化してから使うのは鉄則。
浄水器
いろいろな方式があるが「ろ過式」が基本。これも「中空糸」「逆浸透膜」「活性炭」などいろいろある。
圧倒的性能を誇るのは「逆浸透膜」だが濾過材の寿命が短く、ろ過の速度も遅い。飲用に使うのが精一杯。
「中空糸」は蛇口に装着する浄水器に多く使われており手軽。
重金属などもろ過できるタイプがいいだろう。
磁石や貴石などで水を浄化するなんていう製品もあるが、放射性物質を浄化する作用はない。
放射性物質を無害化できたらノーベル賞どころじゃない。
活性炭や不織布
布程度では放射性物質や細菌などを浄化するのは無理。しかし砂などのゴミを濾してから浄水器にかけるような前処理としては充分。
活性炭も以外にあなどれず、重金属なども吸着できる。いずれもコストが安いのでふんだんに使えるのも魅力。
煮沸
煮沸しても放射性物質は無害化できない。放射能が熱で消えるということもない。
「ヨウ素」の沸点はおよそ184℃、「セシウム」はおよそ671℃。
つまり煮沸しても放射性物質は蒸発せず煮詰まるだけ。
逆に蒸気を集めて冷却した水なら放射性物質はふくまれないといえる。
ただ何しろ効率が悪い。燃料も多大に使うのでとても実用にはならない。
土や石
井戸が掘れず、河川の水を使わざるをえない場合でも直接取水はしてはならない。
川岸の水流から5-6mくらいのところに穴を掘り、にじみ出てきた水を使用する。
これをさらに浄水器などに通せばよい。
浄水剤、銀製品、炭など
浄化した水は水道水には入っている塩素なども抜けているため、そのままだと腐ってしまう。
浄化水を貯めた容器に「次亜塩素酸ナトリウム」や「次亜塩素酸カリウム」を水1リットル当たり1g投入すれば水道水並みの殺菌効果がある。
「次亜塩素酸ナトリウム」は薬局でも通販でも買える。
他に銀製品や備長炭などを容器に入れておくのもよい。
こちらの場合は色や味に影響がないので飲食用向けだろう。
ミネラルウォーター
ペットボトルで購入できるもの以外にウォーターサーバーも備蓄の役に立つ。
7-8リットルくらいなら2-3日は持つ。
その他
ウォーターベッドや格闘技の練習に使うウォーターバッグも大量の水の備蓄になる。飲用が出来なくても洗浄用には十分だ。
水道水をペットボトルに詰め、ローリングストックのように使うのも低コストで備蓄になる。
風呂の水やトイレタンクの水も貴重品。
冷蔵庫では冬でも氷を作っておく。停電後も冷蔵庫内の冷気を保てるし、溶ければ飲料水になる。
食糧
水に続いて重要
冷凍、冷蔵が必要なものは論外なので、乾燥食品や缶詰等が中心になるだろう。
炭水化物
米や小麦粉、パスタ等乾麺、個包装の切り餅など主食となるものを用意する。
乾麺はそもそもが保存食なので保存状態が良ければ10年前のものが食べられたという話もある。
米は真空パックで売っているものもあり保存に最適。ペットボトルに移し替えて真空パックにするのもよい。
小麦粉は保存が難しく、真空パックにしても1-2年がせいぜい。
粉ではなく乾燥うどんやパスタなど小麦製品を保存したほうがいいかもしれない。しばらくは焼き立てパンはあきらめよう。
タンパク質
肉や魚などは缶詰か干物くらいしか保存手段はない。
味気ないが、プロテイン粉末を用意するのも手だろう。
植物性タンパクだと大豆最強。
昔の日本人は肉をほとんど食べない分、大豆でタンパク質を摂っていた。それで何百年もやってこれたのだから問題ない。
米にもタンパク質は含まれているが丼で大盛くらいの量が必要になるので、乾燥大豆や高野豆腐、大豆ミートなど大豆製品が手ごろだ。
脂質
動物系脂質や液体油脂はこれといった長期保存方法がない。食用油は未開封なら1-2年はもつので毎年入れ替えるかローリングストックの対象にするしかない。
バターミルクパウダーや全脂粉乳といった製品は常温保存可能だが、やはり1-2年しかもたない。
保存がきいて脂質を豊富に含むナッツ、種子類がいいだろう。
クルミやアーモンド、ピーナッツなどのナッツ類、松の実やパンプキンシードなどの種子類は良質な脂質やミネラルを豊富に含む。
価格も安いし真空パックなどにしておけば長期保存も効く。
ビタミン、ミネラル
しばらくは生の野菜果物は手に入らないかもしれない。野草の採取など論外。各種サプリメントで補うのが手っ取り早い。
種を用意し、アルファアルファやカイワレを栽培したり、大豆でモヤシを作るのもいいだろう。
災害後世界ではモヤシ炒めは贅沢品になるかも。
調味料
現代人は口が贅沢になっているため、食べられるものでも「不味いから食べられない」という事態になりえる。
塩、砂糖など。岩塩や黒糖の塊でもいいだろう。塩や砂糖に賞味期限はない。
日本人なら醤油と味噌があれば何でも食べられるので粉末のを用意しておくのもいいだろう。
香辛料があれば多少の臭いもごまかせるので、カレーパウダーや七味唐辛子などもあると嬉しい。
元傭兵の著書によると虫、ヘビやカエル、泥臭い魚などもカレー粉があれば食べられるからジャングルでは必須だったそうな。
保存食品
フリーズドライやレトルト、缶詰など常温保存を想定した食品。
素材を水煮したものや、カレー、パスタソースなど。
こういうのは袋などに密封されているものが多いので、核災害に対する保存にはうってつけ。
缶詰は中身によっては缶と中身が化学反応を起こすので長期保存には向かないものもある。フルーツ缶などはそういう傾向がある。
軍用レーションや災害備蓄品などは常温で長期保存が想定されているので手ごろだが、味が濃かったりカロリー重視で栄養が偏っている傾向があるので、これだけに頼るのは避けたい。
嗜好品
酒、タバコ、甘味など。
自分で消費する以外にも、物々交換にすることも出来る。
酒はポケット瓶など小さいものを複数用意すれば、交換物資としても使い勝手がいい。
種類としてはブランデー、ウィスキー、焼酎など蒸留酒にすること。
蒸留酒には消費期限がないので長期保存にうってつけ。
ワイン、ビール、日本酒などの醸造酒は1-2年しか持たないので保存向きではない。
度数が高いものなら着火剤や消毒に使うことも出来る。
業務用の大容量だと割安なのだが、一度開けたら食べきらなければならないときに容量がネックとなる。
ローリングストックの場合はデメリットとなってしまう。
なので小瓶に分けて口を密封するのも手だろう。
濃い色のガラス瓶にわけ、蓋をして溶かしたロウやホットボンドで密封する。
うまく密封できれば20年や30年くらい平気でもつ。
核からのサバイバル。プレッパーのススメ ~物資備蓄・医薬品、雑貨編~に続く!