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ガスストーブ「ST-320」のブースターを作ってみる
ソト(SOTO)のシングルバーナー「ST-320」
金属製のケースがゴトクと風防と足を兼ねており、変形合体によりシングルガスストーブとなる男の子なら一度は触ってみたいバーナーだ。
たまにしか使わないと合体方法を忘れてしまうのが難点ではあるが。
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入手の容易なCB缶を使うのはいいのだが、CB缶は低温に弱い。
冬の屋外ではどうしようもなく火力が落ちる。
缶を茹でたり、カイロを貼ったり、一緒に寝たりと保温の工夫はいろいろあるが、CB缶の構造上あっというまに温度が下がってしまう。
CB缶ではなくOD缶のバーナーだと「ブースター」と呼ばれる火の熱を缶に伝えて温めるオプションがあったりするが、CB缶はほとんど見かけない。
ましてや特殊な構造の「ST-320」はブースターが発売される見込みはない。まずない。
と、なれば作るしかない。
Let's Try!
作り方
材料をそろえよう
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一般的なブースターは金属製のパイプ等の一方を炎に当て、反対側を缶に固定する構造。簡単ではある。
なので、熱伝導体として「アルミ線」を使う。
ダイソーで買った「アルミ3mm線」
アルミ線をCB缶に固定するためにベルト。
何百度になるわけではないので、布製で充分。マジックテープのベルトをダイソーで購入。
アルミ線から伝ってきた熱をCB缶にまんべんなく当てるためにアルミ板。
板を売っているところが手近にないため、アルミ缶を切って使うことにした。
ホームセンター等で金属板が入手できるならそれを買ってもいい。
手で曲げられる薄いやつがいいだろう。
道具は缶を切るカッターナイフやハサミ、アルミ線を切るニッパーやペンチがあればいい。
アルミ板を作る
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中を洗って乾かしたアルミ缶の上部を切り落とす。カッターナイフで切れる。
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同じように底部も切り落とす。このとき切り落とした上部をはめ込んでおくとペシャっと潰れないので切りやすくなる。
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切れた。
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あとはハサミで切り開いて板にする。
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丸まり癖がついているので、反対に巻いて癖を取っておくと扱いやすいカモ。
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端の部分を紙やすりで軽く磨いておこう。切ったままだと端が鋭くなっているので磨くことでケガをしにくくできる。
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熱伝導体を作る
バーナーを組み立て、アルミ線を現物合わせで曲げていく。
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炎に当たる部分は二重巻きにして熱吸収しやすくしてみた。
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缶固定部分を作る
アルミ線にアルミ板を当てて、線に密着させる感じで棒などでしごいて曲げる。
CB缶に「イイ感じ」に巻き付く間隔で板を曲げる。
曲げられたら手ごろな大きさにアルミ板を切りそろえる。端を紙やすりで磨くのを忘れずに。
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さらに板の角を丸く切っておこう。これもケガ防止に必要。
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アルミ線と板が用意できたらベルトで固定。
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できたー!
実験
さて、効き目があるか実験である。
まずはブースターなし
気温約8度。
ここにバーナーとCB缶を組み立てた状態で置いておく。
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CB缶の温度を測る。約10度といったところ。
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この状態で点火し、5分ほど待つ。
5分後に再度、温度測定。6度といったところ。順当に冷えてますね。
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続いてブースター付き
点火前は約10度といったところ。
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点火して同じく5分ほど待つ。さて、結果は?
8度くらい。
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誤差の範囲!
効き目なし!
結果
というわけで、「意味なし」というところでした。
アルミ線を触ってみると、CB缶の手前までは結構熱は来ている。
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CB缶に触れているところから急激に冷えているので、缶に熱は伝わってはいると思われる。
が、缶の温度を上げるには圧倒的に熱が足りないということ。それとも5分では短かったのか。
もうすこし熱伝導体を太くする、熱を伝えやすい材質にする、熱伝導体を断熱材でカバーするなどの改良が必要ということだ。
ダイソーで合計330円の材料で作った程度では実用には程遠い。
改良する気分になるまで、とりあえずはここまで。
じゃーね。