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日本電信電話 2025年3月期3Q決算振り返り
今回は、日本電信電話(NTT)の2025年3月期第3四半期決算を振り返りながら、業績の進捗状況や配当方針について自分なりにまとめてみました。
1. 業績ハイライト
第3四半期の営業収益は増収となったものの、コスト増加の影響で営業利益・当期利益ともに減益となりました。
営業収益:10兆497億円(前年同期比 +3.4%)
営業利益:1兆3,992億円(同 -5.9%)
当期利益:8,506億円(同 -15.9%)
収益は堅調に推移しましたが、利益面では厳しい結果となりました
2. 営業利益が減益となった要因
決算短信によると、利益率の低下は以下のコスト増加が主な原因のようです。
人件費が2,312億円(前年同期比 1,378億円増)
経費が4,881億円(前年同期比 2,040億円増)
減価償却費が1,280億円(前年同期比 782億円増)
特に人件費と経費の増加が大きな影響を与えており、これが営業利益の減少に直結しているようです。
3. 通期業績予想と進捗率
第3四半期時点での通期業績予想に対する進捗率は概ね順調です。
営業収益は通期予想の74.7%を達成。営業利益は77.3%、税引前当期利益は78.0%、そして当社に帰属する当期利益は77.3%の進捗率となっています。全体的に75〜80%程度の進捗であり、第3四半期としては問題のない水準と言えるでしょう。
4. 配当予想の変更はなし
年間配当は5.20円(中間2.60円、期末2.60円)を予定
20年以上減配を行っていない。
NTTは長年にわたり安定した配当を維持しており、株主還元の姿勢が一貫している点は評価できます。ただ、累進配当やDOEなどの宣言は行っておらず決算説明資料にも非減配の実績だけ載せてあります。
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6. ネットキャッシュについて
ネットキャッシュはマイナス(負債の方が流動資産より多い状態)
時価総額が大きい銘柄ではネットキャッシュがマイナスになるのは珍しくない
中・小型株ではないのでネットキャッシュがマイナスであること自体は特に問題視していません。
7. 雑感
決算発表後、株価は下落傾向にあります。2025年2月7日時点の配当利回りは約3.5%。私は5,000株保有していますが、NTTはすでにポートフォリオ内の情報・通信業の割合が高いため、新規の追加購入は現時点で考えていません。
ポートフォリオの調整が完了したら購入を考えようと思います。
また、減配しない限りは現在の保有分を維持する方針です。
まとめ
✅ 営業収益は増加したが、コスト増により利益は減少
✅ 通期業績予想の進捗率は75〜80%で概ね順調
✅ 20年以上減配なしで安定した配当が魅力
❌ ネットキャッシュはマイナスだが、大型銘柄では想定内
❌ 情報・通信業の比率が高いため、追加購入は見送り
長期的に配当を重視する投資家にとっては、安定性の高い銘柄であることは間違いないので投資初心者の方が最初に購入する銘柄としては良いように思います。今後の業績や株価動向を引き続き注視していきます。
免責事項: 本記事は、個人的な見解であり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。