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本の栞がつなぐもの

読書家には4種類あると思う。
本屋でいつも新刊本を買う人。
古本屋でいつも古本を買う人。
図書館で本をいつも借りる人。
そして、混合型。

私は混合型である。
以前はもっぱら図書館派だったが、
今は古本屋がメイン。
本屋で新刊本を買う比率は少ない。
なんせ軽く1冊を1日で読み終わるので、
すべて新刊本を買っていたらお財布がもたない。

作家の方や出版社、本屋さんを応援したい気持ちはあるので、
時々新刊本も買うけれど。でも買っても大抵は文庫本。
ごめんなさい。

その結果、手元にある単行本はたいてい、
古本屋経由で入手している。
今日もまた、そうした一冊を手にとった。
「常設展示室」原田マハさん。

6編の短編の1つ目を読み終わり、
ちょっと珈琲を入れようとスピンをたぐった。
すると、1枚の小さな紙切れが落ちてきた。
 ご搭乗券 〇〇様
 行先 東京/羽田 出発時間20:30
 搭乗日9/11 禁煙席3E
 日本エアシステム
元の持ち主の方が栞代わりにはさんだらしい。

何年前のものだろう、とジロジロと眺めたが
搭乗券の半券には月日はあっても年はなかった。
なるほど、搭乗券を手にする時点で、
何年かは自明なのだな、と変な所で納得する。

すごく、ではないがちょっと珍しいお名前。
カタカナ表記だが、ちょっと興味が湧き、
ググってみる。何人かヒットする。
でもたぶん、美術館を巡るのが好きらしいこの方だ!

私が小説家なら、このエピソードを使って
1つお話が書けそう。

本当に見ず知らずの方だが、でも何となくご縁を感じる。
この方はちゃんと単行本を本屋さんで買う
出版業界にとって有難い方なのだな、と思う。
私にもこの本に出合わせてくれて感謝。

私もたまには単行本を本屋で買わなくては、
と思いつつ、続きの短編を楽しませてもらおう。

※でもこうして個人情報が簡単に検索できるこのご時世。
 今回はお名前だけで特に悪用できる方法も思いつかないが、
 皆さま、本の栞にするものにはご用心ください。


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