ボタンの数は
ふかふかで
張りのあるウォッシャーリネン
手に取ると空気をふくんだ生地がほわんとはねる
ウォッシャーのしわがもたらすボリュームが手に伝わった
ちいさな丸首からまっすぐに伸びるボタンの列
全部解いてから
丁寧に羽織る
その作業はまるで朝の神聖な儀式のよう
こころは張り詰めた水面みたいに静かに鳴った
肌に密着するでもなく
肩にはなめらかな曲線で
ひじには適度なスペースを
生地の風合いは
おさまるところにおさまることで
きちんと役割を全うしているかのようだ
適度なルーズ感は
バランスを熟知しつくしたeb.a.gosの
〝カンカク〟による絶妙な配分で仕上がっている
ボタンの数は、しあわせの数
ひとつひとつボタンをはめていく時間を有することで
後の予定にしわ寄せがいくかもしれないけれど
この時間を味わうことに意味があるような
この時間も含めてデザインされているのだと思う
そんな〝わざわざ〟にこめられた思いを大切にしたい
下までボタンを留めると
ひときわこの時間のとおとさを実感した
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