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「季節のはざま」
自宅で夜くつろいでいると
エアコンの利用を控えめにしてもいいくらいに
ベランダから風が流れ込んでくることが増えてきた
久しくモーター音を感じない
窓越しの天然の風は
音も静かで、肌にとても心地よかった
同時に夏が
最終章に入ったことを思い知らされた気がして
あらがえない時の流れに
一抹の寂しさも覚えている
![](https://assets.st-note.com/img/1732521762-KvIowSyTtWGQgmnlqsi40Lf1.jpg?width=1200)
とはいってもまだまだ残暑のなかであるし
現実では夏らしい気候は停滞中である
この中途半端な時期
わたしのクローゼットの中が散乱するのは
毎年の恒例になっていて
”かたずけたいモノ” と
”次の出番を待っているモノ” がいつのまにか混在し
ちょっぴり気の早い、衣替え状態になってしまうのだ
![](https://assets.st-note.com/img/1732521799-3YshrqmNzpRM4lXbAjkVuw1S.jpg?width=1200)
楽しみなブラウス
まだもうちょっと着ていたいニットベスト
独り言のように
ひとつひとつを手に取ってみるけれど
何度ながめたところで
このクローゼットからは排除しがたいアイテムばかりであることを
つきつけられてしまうだけなのだ
そんな1年の間に
何度か訪れる『季節のはざま』の頃
さくねんと同じく
わたしは自然の流れに身をまかせることにした
『季節のはざま』にあるクローゼットがみせてくれる
季節のうつろいという情緒の部分を誰よりも好きでいることに
すこし呆れながらも
わたし自身、どこかこころ待ちにしているところがあるのだ
その景色はどこかの画家が描いた
晩夏の風景さながら
例えようのない、寂しい気配を静かに漂わせているようであった