踊るように・・・
もうすっかり忘れていた
長い年月をかけて、上書きされ続けてきたあの頃の記憶
跳ねたりスキップしたり、くるっと回っておどけたり・・・
幼いころわたしが過ごした日々に、
そんな自分の姿があったことを思い出すこともなく
平等な月日は流れていった
当然徐々に ”こどもっぽさ” という枠の中からとびだしてゆくことは
成長した自分の姿であり、それは自然な流れなのだと今になって改めて実感している
だからdosaのラジャスタンドレスと出会ったときに感じた
忘れていた記憶の断片が電流のように体中を駆け抜けた時は驚いた
幼い頃に着させてもらったワンピースが何より嬉しかったことを
一瞬にしてよみがえらせ
胸が高鳴る鼓動の音が灯したほのおの明りは
大人になった今も、まだ胸の中にある事に気付かせてくれるきっかけにもなった
ギャザーがたっぷり施されたウエストライン
そして、愛らしいシルエット
今のわたしには。。。むりかな
そんな風に思い続けてきたけれど
ラジャスタンドレスのシルクの手触りや
羽根のようにふわっと舞う裾の尾に見とれていると
ワンピースを着せられた時の記憶が、より鮮明に色濃く目の前に広がっていくのだった
いくつになってもたっぷりのギャザーは憧れへのしるしであったし
愛らしいシルエットは、
夕暮れ時に、長く伸びた影と一緒に歩く女の子と重なった
愛おしい記憶を伴って、現れたこのドレスの前では
わたしは少女の気持ちに戻れる時間を与えられたような気持ちになってくる
このドレスを着て、どこに行こうかな
そんなことを考えているわたしは
まるで遠足の前日の子供のように
ついはしゃいでしまっているのだった
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