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真夜中に万華鏡なんか覗くもんじゃないよ。と苦い顔して年長者が言っていたのを子供心に覚えている。

真夜中、万華鏡、それが今目の前に揃っていた。

私はもう子供じゃないんだし。何かと誰かの声はよぎるけど。
万華鏡を手に取り目に当てる。
大きな目がこっちを見ていた。
うわっ!手を離して床に転がる。
確か綺麗なガラス細工をばらした様なのが見えるはずでは。

もう一度、確かめたい。おばけなんてないさ。思ったのだ。鏡を使って作るって聞いたことがある。何かの間違いで私の黒目が映っただけなんじゃないかって。

だけど変だ。だって私の目の色はグリーンなのだから。胸騒ぎがして階段を駆け上がると家人が迷惑そうに布団を上げてくれた。

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