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行列だって出来るだとはリモコンだとは。行列の出来るリモコン


街中の人溜り。真ん中にはテレビが置いてあるらしく。覗き込んでもわからないけど。
風邪がうつりそうな距離感でざわざわと騒がしく四角い電子家電に夢中。

歩行者天国に一体何を置いたらそうなるのか。
今僕がリモコンで変えたら、きっと殺される。そうか、サッカーでも観ているのかも知れないな。そんな気もしてきた。
こたつ毛布の陰で妹の手が当たったわけじゃない。
こんなに人がいるんだ。誰がやっても気づかれないさ。

だけど、こりゃ、無差別テロをするくらいのリスクを感じる。

聴衆をひとつにしているものはなんだ。
そんなのリモコンのチャンネルボタンで簡単にこうだ。
そんなことはおよしよ、と小さな女の子が飛んできた。あなた、見えないからってなんでもやっていいわけじゃ無いわ。そんなことをしても許されるのは幼稚園児くらいのものよ。だいじょうぶ、あなたももう時期背が伸びるわ。わたし、そういうのは伝えていいって言われているし信じていいのよ。
どうせ僕は背が低いよ。リモコンは知恵の集結。体ばかりでかい奴らに勝つには頭だよ。いいえ、だめよ。私の話をよく聞くの。お前誰だよ。私はあなたにしか見えないわ。なんて呼んでもいいわ。神の使いだとか、妖精だとか、宇宙人であるとか。なんでもいいわ。
春が来てしまった。頭のほうに。。
あら、違うったら。あなたは正常よ。
おかしいのは、ほら。

テレビの方を指さした。
でもリモコンは捨てなさい。
あなたは未来を牛耳る人だから。

睨みつけてもピンクのフェアリーは優しい目で自分が恥ずかしくなるばかりだ。

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