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おじいちゃんと孫(反省だらけの1日)
3日目(水曜日)は2日に1度の通院。
朝は少しゆっくりして、混むと聞いていたし、昨日の疲れもあるかと思って、10時頃出発にした。
その頃には、あれだけ注意されていた背中から出ているチューブの扱いも慣れてきたようで、移動も慣れてた手つきで廃液バックを下げて出掛ける支度をしていた。
「お昼はどこかで食べられたらいいなぁ。」
病院までの移動は高速道路を使う事にした。
長時間の移動は体に負担が掛かるからだ。
2ヶ月もほとんど寝ていた人間が、座っているというだけでも疲れるという事を、私は微塵も考えていなかった。
反省点。その1。
病院に付くと、やっぱり混んでいた。車椅子に乗せて、一旦車を駐車場に置いてから、急いで受付をして車椅子を押して診察を待つ。
けれど、1時間待っても呼ばれず…。
父は腹痛を訴えて、トイレへ。この頃、便秘に悩まされていた。便秘というより、出す力が無くなっていて、かなり力を入れないと出ないという状態。
外で待っていても、苦しそうな声が聞こえてきて不安になる。
何とか落ち着いたと言うので、更に待機。
今度は足が痛いと言うので、少し立たせてみたり、足を動かしてみたりした。
さらに30分。
痺れを切らして、看護師さんに確認に行く。
「次の次だから、もう少し待ってて下さい。」そう声を掛けてくれたのは、家にも来てくれた本来は救急の方にいるという看護師さんだった。
父と少し世間話をしているうちに、診察室に呼ばれた。
「背中の確認しますので。」と言って、消毒にガーゼの交換。廃液パックも新しい物と交換された。
担当医は、「変わりないですか?何かあれば、すぐ戻ってきて下さいね。」
1週間限りの退院の許可は、本当にギリギリの決断だった事が先生の緊迫感から伝わってくる。
思ったより時間が掛かってしまった。会計を待つ間に1時が過ぎようとしていて、お腹が空いたという父に、売店でアンパンとおにぎりを買ってきた。
「ごめんね。これしか残ってなかった。」
「アンパン食べたかったから。これで良いよ。」
そう言って、アンパンをパクリと食べた。
それから温かいお茶もゆっくりと飲んだ。
既に手の力はほとんど無くなっていた。キャップを開けるのもようやくという感じだった。
こんな事なら、早めに売店で買い物しておけば良かった。
反省点。その2。
それにしても、あまりにも長い待ち時間だった。こんな事なら、どこか横になって待たせて貰えば良かった。
反省点。その3。
疲れたと言って、帰りの車では無口かと思えば、他愛のない話をしながら帰った。
ただ、明日は待ちに待った息子と誕生日プレゼントを買いに行く日だった。
そして、私は父が嫌がるかと思ったが、どうしても会わせたい人が居て、連絡を密かに取っていた。
そもそも、1週間の限定でちゃんと1週間居られるか分からなかったからギリギリまで言わないでおこうと思っていた。
「お父さんさ。私のお節介なんだけど。嫌だったら本当にゴメンね。明日、買い物午前中行くでしょ?で、午後からね。おばちゃん達が来てくれる事になってるの。いいかな?」
慎重に、言葉を選んで話をした。
父には2人の姉が居る。
そんなに仲が良い訳では無いし、2人共高齢で自由が効かない。
それに、また出られると信じていたが、それでも会わせておかなきゃいけない気がしたのだ。
「そうか。嫌じゃないよ。連絡はしようと思っていたから、でもどうしようかと思ってたんだ。何ならこっちから行くか?」
少し嬉しそうに言ってくれた事に安心した。
「来てくれるって言ってるから、大丈夫だよ。」
明日が楽しみになったが、6月で比較的涼しく過ごしやすい日が続いていたが、雨の予報が出ている。
何とか、明日も無事やり遂げなければ!と、気合いをまた入れて、家に帰った。
晩ご飯は家にある物で適当に食べるから、気にするなと言われた。
父なりの気遣いだと思った。
気を使わせた!?疲れた顔してるか!?
反省点。その4。
ただ、目が良く見えないから、夜と朝の薬を分かりやすくテーブルに分けて置いておく。
背中のチューブの固定も一応確認して、もう夕方。
反省点だらけの1日だったが、明日が第一の山場だ。まだ気は抜けない。落ち込んでいる場合ではない!と、気合いを入れ直す。