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何を信じるかは自由だから、私は自分の道を行く。

生きてれば、色々な事がある。
そして、私もまた色々な事があって、どうしようも無く何かに縋りたいと思う時期もあった。

ただ、私の特性なのだが、恐らく人より損得勘定がしっかりしている。

それは、私の育った家庭でお金に苦労していたのを見てきたからだと思うが、無駄な事に労力もお金も使いたくないのだ。

私の父は、本当にギャンブルが好きだったし、お人好しだから頼まれればマルチっぽいものにも足を突っ込んでいた。

ただ、気に入らないとバッサリ切る人だったから、泥沼になる事は無かった。

そして、その中に【とある宗教】との繋がりがあった。

雇っていたパートさんの1人。
シングルマザーで3人の子供がいる。旦那だった人とは、浮気され酷い別れ方をし、実家で両親に頼りながら何とか生活はできていた。

その生活の中で、子供に苛立ちをぶつけてしまったり、自分の事もままならない状況が続いていた時、【とある宗教】に勧誘されて入信。

すると、色々な事が上手くいくようになった。らしい。

その宗教は、日本の中で危険とされる宗教団体の1つ。

日曜日は本部(車で1時間程度の場所)に行って、祈りを捧げる。
平日も勧誘活動で、お昼に抜けたり、仕事が終わるとコンビニ前に車を停めて電話を掛けまくっている。

家に帰るのは、いつも9時過ぎなのだ。とか。

そしていつしか、父を勧誘していた。いつもの様に、父は良い人なので入信したのだが、グループ内の男性達と意見の相違があって辞めた。

しかし、その彼女からすると、1度仲間となった人はずっと一緒。という強い気持ちを持っていた。

私はそんな事は知らなかったし、職場内で勧誘は厳禁とされていたから、何も言ってはこなかった。

ある日、私にも色々あって、話しやすい人だったから愚痴をこぼしていた。
すると、帰りに勧誘を受けた。

私は濁して立去ったのたが、次の日からは彼女の目つきが変わっていった。

自分が信じるもの。人。考え方。
熱く語るその口調は、別人のようだった。

父に相談して、勧誘はしなくなったが、こっそりとLINEを送ってくるようになった。

「この動画観て!」
「どうだった?」
「すごいでしょ?」
「お父さんも一緒なんだよ!」

この人の見えているものは、何なのか?私には理解出来なかった。

しかも、全て陰謀論と結び付けられていた。

私は頑なに拒否し続けたが、引く気配のない彼女とは距離をおくしかなかった。

信じるのは自由。
その人にとって必要なら、勝手にやってれば良いと思う。
ただ、彼女を見ていて虚しくなった。

何か1つを信じすぎると、周囲が見えなくなるのだ。
それは別の角度からすると、幸せなのかもしれない。
でも、周囲の人から疎まれて、子供達も成長していったら離れていくかもしれない。

仲間がいれば、それで幸せなのだとしたら、それでも良いという考え方なのだろう。

まぁ、孤独にさせる事でさらにのめり込ませる事が目的と聞いたこともあるから、これから先も彼女は信じ続けるのだろう。

父は生前、「あついは入り込み過ぎているから、何とか抜け出させてやりたい。」そう言っていた。

何の知識もなく否定はしたくなかったから、色々な宗教に関して簡単に調べて、自分なりには解釈した。

宗教も彼女も否定するつもりはない。
信じる事があるというのは、それだけで生きる意味になるとも思うからだ。

私の損得勘定は、人が嫌がる事に無理矢理勧誘しようとする事や、時間もお金を掛ける事が無理だと判断した。

その上で、私は無宗教でいようと思った。

1つだけの【神】というものを信じるよりも、日本古来の八百万の神々を信じてみたり、仏様やご先祖様の存在があると思って生きていきたい思ったのだ。

何を信じるかは自由なのだから、それこそ自由に欲張って色々な事を信じて生きていこうと思う。

それも私の生き方なのだ。
そういう考え方を教えてくれたのだとしたら、あの彼女には感謝なのかもしない。

しかし、初見で親切な人と会うと、宗教?と身構えてしまうようになった…。とさ。


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