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おじいちゃんと孫(じいちゃんの恋人?)

一時退院4日目(木曜日)。

この日は息子が学校を休み、念願の誕生日プレゼントを一緒に買いに行く日。
(誕生日は最終日の日曜日。)
そして、午後からは父の姉達が訪ねてくる。

それなのに、朝からしっかりとした雨が降っている。

まずは、訪問看護の人が来てくれて、一通りのチェックとガーゼの交換。
少し時間が掛かったが、モールに出発。
本当は2人で行かせたかったが、雨も降っていたので私も一緒行く事にした。

モールにある車椅子を探すのに苦労する息子だったが、何とか買い物の始まり。

父は夏用に帽子を買った。爽やかな色の青。

そして、私は来る叔母たち用に飲み物やお菓子を買っていた。
息子が靴を欲しがってしたのは知っていたから、靴屋に行って無事合流。

念願の誕生日プレゼントを買うという目標を達成した。

「車椅子って押して歩くのって案外大変なんだね。」
そう言って、少し疲れた顔をした。

車椅子を押す役目を交代して、車に戻った。

「午後もあるから、急がせてごめんね。」

昼食は外食でも良かったが、父も疲れたと思い、帰りに近くのスーパーでお寿司やお惣菜を買って、家で食べる事にした。

午後になって、叔母たちがやってきた。
雨の中で、しかも舗装されていない家の前の道は水溜りだらけだった。

長女の叔母の旦那さんが運転する車で、次女の叔母も一緒に乗ってきたので、突然に騒がしくなった。

さらには、引き合わせる為に話を通してくれた私の従兄弟も後で合流した。

私も久々に会う叔母達。
2人共、もともと小柄とは言え、さらに小さくなってしまった様に見えた。

終始、3人は自分達の病気の話で盛り上がっていた。
息子も叔母達に会いたいと言うので、一緒に部屋で話を聞いたりしていた。

すると、ふとした時に叔母が、「あれ?あんたの旦那じゃないの?ちゃんと見えてなかったわ!息子ね。ずっと勘違いしてたわ。」

お調子者の次女の叔母が笑い出す。
息子を私の旦那と勘違いしていた。

すると、「オジャマします」。と女性の声がした。
父はその声の主を知っているのか、「おぉ入っていいぞ。」と声を掛けた。

その場の全員が凍りついた。

その場に入ってきた女性も全員からの視線にびっくりしていたが、父に会えた事が嬉しいのか、舞い上がっていた。

「きてよかった。でんわへんじないし、くるまもずっとなかったから、しんぱいしてた。」

次女の叔母が「これか?」なんて、小指を立てる。
父も何も言わず、その女性と話始めたたから、さすがの私も口を挟んだ。

「お父さん。一応説明して。どういう?」

飲み屋さんで出会ったとかで、家が近い事もあり、旦那さんの酒癖の悪さや家の悩み等を聞いてあげたりしていて、時々食べ物を差し入れてくれたりしていたらしい。

しかも、若く見えたがもうすぐ60代なのだと言う。

そこからは、叔母達もその女性と話をしたり、叔母の旦那さんが昔の仕事の話をしたりして、楽しい時間が過ぎていった。

「じゃそろそろね。」

来てから2時間といった所だろうか、まだ雨は降っていた。

「皆で写真撮ろう!」

そう言ってくれたのは、従兄弟だった。
来た女性はその少し前に帰っていたので、姉弟3人でベットに集まって写真を撮った。

最後に私と息子も加わって、もう一枚。

そして帰って行くと、すっかり静かになった。

終始明るく、ただ会って話をしただけ。
ためらっていたのは私だったが、会わせられた事は良かったと思った。

さらに、後から従姉妹が父に会いに来た。
すぐ帰ったが、「時間があれば、おじさんに会っときな。」と言われた。という。

従姉妹に会うのも何年かぶりで、結局は誰かのお葬式でっていうのが最近の親族付き合いだった。

雨が降って少し蒸し暑くなった。
父の部屋のエアコンは、主人が不在の間に壊れてしまったらしく、窓を開けて空気を入れ替えるしかなかった。

父が戻れたら、まずはエアコンを新しくしなきゃと思って、4日目のやる事リストも無事完了したのだった。


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