憧れの一閃 七剣士物語 ~私たち高校1年生~ 其の五十三
※其の五十二からの続きです。気軽にお付き合いください。
久しぶりの試合だ。心臓の鼓動が大きく聞こえる。小学生の時、初めて試合をしたみたいな感覚に陥る。しかも、相手は元チームメイト。意識しないはずがない。
(……中山)
相手の目を見てコートへと入る。中山は当時から力を欲していた。そして、その力の使い方は大いに間違っていた。剣道は喧嘩や暴力ではない。いじめや嫌がらせに使って良い力ではないのだ。キャプテンとして何度も注意した。後輩や同級生をつるし上げ、最後は泣き寝入りさせる