ラグビーワールドカップ2023 ウェールズ対オーストラリア戦 感想
ラグビーワールドカップ2023 ウェールズ対オーストラリアの試合は、40-6でウェールズが歴史的大勝利。逆にオーストラリアは歴史的大敗、そして史上初めてプール戦での敗退が濃厚になった。以下、敬称略します。
ウェールズ 40-6 オーストラリア
ワールドカップにおいて、両国の対戦は8度目。過去7度の対戦は、オーストラリア5勝、ウェールズ2勝。
第1回(1987年) 3位決定戦 ウェールズ 22-21 オーストラリア
第2回(1991年) プール戦 オーストラリア 38-3 ウェールズ
第4回(1999年) 準々決勝 オーストラリア 24-9 ウェールズ
第6回(2007年) プール戦 オーストラリア 32-20 ウェールズ
第7回(2011年) 3位決定戦 オーストラリア 21-18 ウェールズ
第8回(2015年) プール戦 オーストラリア 15-6 ウェールズ
第9回(2019年) プール戦 ウェールズ 29-25 オーストラリア
今大会を迎えた両国の状況は似ていた。両国とも低迷し、かつて率いた名将に再建を託した。ウェールズはガットランド、オーストラリアはエディー・ジョーンズ。しかし名将復活後の今大会の成績は対照的となった。ウェールズはこれでプール突破が決まり、オーストラリアはワールドカップ史上初のプール敗退が濃厚になった。
ガットランドの場合、前回大会(2019年)までチームを率いていたこともあり、前回の良かったころをとり戻せばよいだけ(実際にはそんな簡単なことではありませんが)だったのに対し、エディ・ジョーンズは約20年ぶりの復帰、一からの立て直しで時間が足りなかったということかもしれない。
試合は、ウェールズがやりたいことを想定以上にやれた試合だった。マイボールになればキックで前進し、ディフェンスからのカウンターアタックを仕掛ける。ペナルティーを得たらペナルティ・ゴールで得点を積み上げ、あわよくばトライまで持っていく、そんな戦術。
それに対してオーストラリアは、悪く言えば単調な攻撃で相手のターンオーバーを許しては得点を積み上げられた。かつての強かったオーストラリアはそこにはなかった。若手の勢いに託したが、若さが裏目に出た。ミスを繰り返しては失点につながった。劣勢を立て直し、挽回までもっていくベテランの姿もない。前回大会も準々決勝でイングランドに完敗(16-40)したが、それ以上の衝撃。オーストラリアの低迷が根深いことを感じた試合だった。