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時にわがまま、時に繊細、存在感を自在に操るマクアダムスの新境地~レイチェル・マクアダムス~
ACTORS PROFILE Vol. 32
レイチェル・マクアダムス
「神さま聞いてる?これが私の生きる道?!」
1978年カナダ生まれ。時にわがまま、時に繊細、存在感を自在に操るマクアダムスの新境地。
バーバラは11歳になる娘マーガレットを育てている。夫の昇進で都会から郊外へと引っ越すことになり環境の変化に対応しようとするが、それと同時に思春期を迎える娘の変化に戸惑う。
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▲マクアダムスはどんなジャンルにもハマる俳優だ。ロマコメ、ロマンス、アクション、スリラー、ドラマ、もう一周してロマコメ。その上ですごいのは演じる役に合わせて、その存在感を自在に操ることが出来ることだ。注目を集めるような役のときは自信たっぷりに「私を見て!」と言わんばかり。でも一度、助演であるならメインのサポートに徹することができる。いずれにしても魅力的なのがまたすごい。彼女のブレイクとなった「ミーン・ガールズ」で演じたレジーナ・ジョージ役は高校のトップに君臨する女子で、とてつもなく意地が悪い。だけど男子はメロメロ。他の女子は黙るしかない。主演ではないが、彼女の毒っぽいイメージは作品に大いに貢献していた。そして間違いなく笑いもかっさらっていた。
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この良い意味でわがままな存在感が、「消されたヘッドライン」やオスカー候補に挙がった「スポットライト」ではどうだ。キャストのアンサンブルに調和して、出過ぎず霞まずの絶妙なアクセントになる。特に後者での、教会の牧師による児童性虐待を追う記者として、繊細に気を配り、追及する時は徹底する姿は誠実そのものだ。
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▲今作「神さま聞いてる?これが私の生きる道!?」では、主人公マーガレットの母親バーバラを演じた。従来の青春映画だと、母親の役割は限られがちだが、今作は母世代の苦悩も描いているとのこと。年頃の娘の変化に気を配りながら、思い悩みベストを尽くそうとする。青春映画では完全な大人として描かれることの多い母親を、マクアダムスは不完全で成長途中の存在として演じている。
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▲その姿勢が女性の変化や成長を描いた今作ではミソになる。マクアダムスの母親像に真実味が宿る。
レイチェル・マクアダムスとアカデミー賞
・第88回アカデミー賞(2015)助演女優賞候補:スポットライト 世紀のスクープ
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軽妙なコメディのイメージが強いマクアダムスでも「スポットライト 世紀のスクープ」では記者として真実を伝えるために真摯に取材を続ける様をじっくりと見せた。マーク・ラファロ、マイケル・キートン、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズら新聞記者チームを演じるキャストと共に見事なアンサンブル劇を創り出した。受賞は「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル。作品では主人公を演じたエディ・レッドメインとほぼ同格の扱いだが、何故か助演。ちなみにこの年、彼女は「エクス・マキナ」でも高い評価を受けていて、本当はこちらで助演候補になって欲しかった。