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第97回アカデミー賞ノミネート紹介第5弾!(作品賞とか監督賞とか)

第97回アカデミー賞ノミネート紹介第5弾!


 第97回アカデミー賞のノミネート紹介をします。第5弾は、作品賞、監督賞、国際長編作品賞、長編ドキュメンタリー賞です。

作品賞

・ANORA アノーラ
- アレックス・ココ、サマンサ・クァン、ショーン・ベイカー

【とあるどん底セックスワーカーが駆け抜けるロマンチックでスリリングなシンデレラストーリー。ショーン・ベイカー監督の温かい眼差しが注がれる物語と、一筋縄ではいかないキャラクターたちがそれぞれの魅力を爆発させる。観るものを虜にするパルムドール受賞作。】


・ブルータリスト
- ブラディ・コーベット、D・J・グッゲンハイム、ブライアン・ヤング、アンドリュー・モリソン、ニック・ゴードン

【故郷を追われてアメリカに渡った建築家の数十年にも及ぶ夢と苦悩のクロニクル。映画を形作る全ての要素が豊かに共鳴し合い、重厚な移民の物語を紡ぐ。若き鬼才ブラディ・コーベットの指揮と主演の素晴らしい演技に導かれて、静かに熱を帯びていく3時間超の旅路の先に広がる景色を目に焼き付けろ。】


・名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN
- フレッド・バーガー、ジェームズ・マンゴールド、アレックス・ハイネマン

【歴史にその名を残すシンガーソングライターのボブ・ディラン。まだ名もなきシンガーだった彼の若き青春の日々を鮮やかに描き出し、伝説の始まりとなる創造のスパークを捉える。こだわり抜かれた選りすぐりの楽曲とキャストの迫真のステージパフォーマンスがスクリーンに電流を走らせる。】


・教皇選挙
テッサ・ロス、ジュリエット・ハウエル、マイケル・A・ジャックマン

【死んだ教皇の後継を決めるための選挙コンクラーヴェにまつわる陰謀と疑念を緊張感たっぷりに描くスリラー。内と外から繰り出される熟練の映画技が息をつかせぬ展開に満ちた作品を豊かに盛り上げる。そして大ベテランが揃いまくったキャスト陣がたまらない。】


・デューン/砂の惑星 PART2
- メアリー・ペアレント、ケイル・ボイター、ターニャ・ラポワント、ドゥニ・ヴィルヌーヴ

【SF巨編シリーズ第二作となる今作は深遠なドラマと大迫力のアクションで、観る者を砂の惑星の壮絶な世界へと問答無用にトランスポートさせる。そして、それは惑星の将来を背負った若き青年の引き返すことの出来ない旅路を共にすることとなる。目と耳を刺激する壮大なシーンの連続に度肝を抜かれることだろう。】


・エミリア・ペレス
- パスカル・コーシェトー、ジャック・オーディアール

【女性としての人生を生き始める元麻薬王についての大胆不敵なミュージカルドラマ。この世を仕切るあらゆる壁を打ち破る斬新な切り口のストーリーと感情爆発のパフォーマンス、そして監督の創意工夫に満ちた筆使いがエミリア・ペレスの肖像をカラフルに彩る。】


・アイム・スティル・ヒア
- マリア・カルロッタ・ブルーノ、ロドリゴ・テイシェイラ

【ブラジル軍事独裁時代、あらゆる苦境に耐えて正義を求めて闘い続けた活動家エアニセ・パイヴァの物語は、今もなお闇を照らそうと闘う者たちの灯となる。繊細にして確かな語り口と力強い主演の演技がパイヴァの静かに燃える思いを現在へと語り継ぐ。それでも私はここにいる、と。】


・ニッケル・ボーイズ
- デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、ジョスリン・バーンズ

【不当な容疑で少年院に収容された黒人少年が体験するおぞましい出来事。そして、少年院で育まれるかけがえのない友情。全編一人称視点で撮影された映像の数々は、60年代アメリカを生きた黒人たちの苦難と、なんてことのない日常の美しさを切り取り、観る者に追体験させる。】


・サブスタンス
- コラリー・ファルジャ、ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー

【若さ、美しい容姿、完璧さ。ハリウッドとそこに住むスターの毛穴に潜り込み、その理想に固執した者の醜悪な内面をスクリーンに塗りたくる。ボディホラーでありながら、そのジャンルの枠を破壊するタイムリーなテーマと主演の怪物的パフォーマンスで作品はネクストレヴェルの興奮へ到達する。】


・ウィキッド ふたりの魔女
- マーク・プラット

【名作『オズの魔法使』の象徴的な存在である、善い魔女と悪い魔女の知られざる過去を描いた大ヒットミュージカル。色とりどりのポップな世界に差し込む陰陽をバランスよく描き出す。監督お馴染みのダイナミックな画作りの中で主演2人が完璧なハーモニーを奏でて、オズの世界にハートを注ぎ込む。】


監督賞

今年の賞レースの主人公感が出てきた

・ショーン・ベイカー
『ANORA アノーラ』
 デビュー作以来一貫して、アメリカ社会の底辺で生きる者たちの生活を笑いと哀愁を込めて描いてきたインディペンデント映画の雄がオスカー初ノミネート。ドラマとコメディを自由自在にスウィングする手腕とキャラクターたちに注がれる温かくも正直な眼差しが最高すぎる。

実は俳優をやってました

・ブラディ・コーベット
『ブルータリスト』
 毎度斬新な切り口の物語を提示するコーベットは今作で移民の国アメリカの核心に迫る。移民の建築家のアメリカンドリームを壮大なキャンバスに描き切った。70mmのフィルム撮影、インターミッション付き3時間超の豊潤な映画体験はコーベットのこだわりに満ち満ちている。

運命のダイヤル…ってなんのこと?

・ジェームズ・マンゴールド
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
 どんなジャンルでもエンターテイメント性を持たせることができるその才能はハリウッド現役世代では右に出る者がいない。たとえ題材が実話でも素材を上手に料理し、最高の娯楽映画を引き出してしまう。今作ではアメリカのアイコン、ボブ・ディランの物語を敬意を持って現代に伝承した。

『預言者』が好きです。

・ジャック・オーディアール
『エミリア・ペレス』
 フランスが生んだマエストロは国を超えて、言語を超えて、性別を超えて、メキシコに住む女性たちの心の叫びをスクリーンに叩きつける。独特な色使いにカメラワーク、その自由な感性を縦横無尽に爆発させて大胆不敵なメロディを奏でることに成功する。巨匠ではあるけれど若々しいセンスは衰えることがない。

The balance must be respected.

・コラリー・ファルジャ
『サブスタンス』
 デビュー作は単なる名刺以上の威力を持った復讐アクションだったが、ファルジャは7年ぶりの監督作で女性が自他から求め求められる若さと美しさについての究極のアンサーを提示する。グロくてカオスでハイテンションなけばけばしい作風でもキャラクターの機微を捉えるという卓越したバランス感覚が素敵。


国際長編作品賞

・エミリア・ペレス
国:フランス 監督:ジャック・オーディアール

・Flow
国:ラトビア 監督:ギンツ・ジルバロディス

・ガール・ウィズ・ニードル
国:デンマーク 監督:マグヌス・フォン・ホーン

・アイム・スティル・ヒア
国:ブラジル 監督:ウォルター・サレス

・聖なるイチジクの種
国:ドイツ 監督:モハメド・ラスロフ

【ひとこと】Flow頑張れ。ラスロフ頑張れ。


長編ドキュメンタリー賞

・BLACK BOX DIARIES
- 伊藤詩織、エリック・ニアリ、ハンナ・アクヴィン

・ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
- ベイシル・アドラ、レイチェル・スゾール、ハムダン・バラル、ユーヴァル・エイブラハム

・PORCELAIN WAR
- ブレンダン・ベロモ、スラヴァ・レオンティエフ、アニエラ・シドルカ、ポーラ・デュプレ・ペスメン

・SOUNDTRACK TO A COUP D'ETAH
- ヨハン・グリモンプレッツ、ダーン・ミリウス、レミ・グレレティ

・SUGARCANE シュガーケイン
- ジュリアン・ブレイブ・ノイズキャット、エミリー・キャシー、ケレン・クイン

【ひとこと】『SUGARCANE』はDisney+で観られます。


第97回アカデミー賞授賞式は日本時間の3月3日に行われる予定。楽しみ。

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