第97回アカデミー賞ノミネート紹介第2弾!(助演女優賞とか)
第97回アカデミー賞ノミネート紹介第2弾!
第97回アカデミー賞のノミネートを紹介します。第2弾は、助演女優賞、作曲賞、歌曲賞、長編アニメーション賞、短編アニメーション賞です。
助演女優賞
・モニカ・バルバロ
『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
戦闘機を降りたバルバロが向かった先は1960年代アメリカンフォークの世界だ。操縦桿をギターに持ち替えてフォークのレジェンド、ジョーン・バエズのソウルを捉える。ボブ・ディランとの複雑な関係をソロでもデュエットでも魅せちゃう。ステージを支配するその佇まいと美しい歌声は、名もなき者とは呼ばせない。
・アリアナ・グランデ
『ウィキッド ふたりの魔女』
現代最強のシンガーのルーツは演技にあり。2024年大ヒットのミュージカルでアイコニックな善い魔女グリンダに扮したグランデは持ち前の明るさと愛らしさを役柄に注ぎ込む。もちろんキャラクターが作り出すポピュラーの影に潜んでいる野心も滲ませる。シンシア・エリヴォとのハーモニーも完璧のメロディを織りなしている。
・フェリシティ・ジョーンズ
『ブルータリスト』
演じる役を典型的なものに終わらせないジョーンズの力は、『博士と彼女のセオリー』をはじめとする代表作の数々からよくわかる。今作ではホローコーストを経験し、夫を追ってアメリカへ渡る妻の役。主演ブロディをサポートしながら、自分自身の物語を紡いでいく印象的な存在感で作品を盛り上げる。物語に奥行きを与えるパフォーマンスは唯一無二。
・イザベラ・ロッセリーニ
『教皇選挙』
意外や意外の初ノミネートを得たベテラン。映画史に名を刻む家の出身ではあるが、その独特の個性はエッジの効いた作品にスパイスを与えてきた。野心と疑惑が渦巻く男ばかりの教会スリラーの今作でシスターを演じ、シーンスティラーとして輝いた。出演時間は限られているが、彼女の語りは観る者の心を掴んで離さない。
・ゾーイ・サルダナ
『エミリア・ペレス』
時には青かったり、時には緑だったり、演じるキャラクターが地球出身でないのはサルダナの個性が常人とは違うからかもしれない。だが、今作で彼女は自分自身のルーツに立ち返り、抱え込んだ思いや言葉を歌とダンスと共に爆発させる。過去に関わった一件でトラブルに巻き込まれる弁護士の役でキャリアベストの賛辞。素顔のままで燦然と輝く。
作曲賞
・ブルータリスト
- ダニエル・ブルムバーグ
・教皇選挙
- フォルカー・ヴェルテルマン
・エミリア・ペレス
- クレメント・デュコール、カミーユ
・ウィキッド ふたりの魔女
- ジョン・パウエル、スティーヴン・シュワルツ
・野生の島のロズ
- クリス・バワーズ
【ひとこと】ミュージカル映画が二作品ノミネート。予想が難しくなりそうな部門だ。『チャレンジャーズ』無念。
歌曲賞
・"El Mal" from 『エミリア・ペレス』
作詞:クレメント・デュコール、カミーユ、ジャック・オーディアール
作曲:クレメント・デュコール、カミーユ
・"The Journey" from 『6888郵便大隊』
作詞作曲:ダイアン・ウォーレン
・"Like a Bird" from 『シンシン/SING SING』
作詞作曲:エイブラハム・アレクサンダー、エイドリアン・ケセダ
・"Mi Camino" from 『エミリア・ペレス』
作詞作曲:クレメント・デュコール、カミーユ
・"Never Too Late" from 『エルトン・ジョン:Never Too Late』
作詞作曲:エルトン・ジョン、ブランディ・カーライル、アンドリュー・ワット、バーニー・トーピン
【ひとこと】ダイアン・ウォーレンは8年連続16度目の候補入り。そろそろ受賞させてほしいが、今年は『エミリア・ペレス』が強そう。
長編アニメーション賞
・Flow
- ギンツ・ジルバロディス、マティス・カジャ、ロン・ディエンズ、グレゴリー・ザルクマン
・インサイド・ヘッド2
- ケルシー・マン、マーク・ニールセン
・かたつむりのメモワール
- アダム・エリオット、リズ・カーニー
・ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!
- ニック・パーク、マーリン・クロッシンガム、リチャード・ビーク
・野生の島のロズ
- クリス・サンダース、ジェフ・ハーマン
【ひとこと】『Flow』がんばれ。
短編アニメーション賞
・美しき男たち
- ニコラス・ケッペンズ、ブレヒト・ファン・エルスランデ
・イトスギの影の中で
- シリン・ソハニ、ホセイン・モラエミ
・あめだま
- 西尾大介、鷲尾天
・フシギなフラつき
- ニーナ・ガンツ、スティネット・ボスクロッパー
・Yuck!
- ロイック・エスプチェ、ジュリエット・マルケ