第96回アカデミー賞に近いのは誰だ?:主演男優賞編
今年も重要3賞と呼ばれる全米映画俳優組合賞(SAG)とブロードキャスト映画批評家協会賞(BFCA)、ゴールデン・グローブ賞(GG)の候補が発表されて、今シーズン注目の役者がそろった。さて今一番勢いがあるのは誰でしょう。※印は英国アカデミー賞(BAFTA)のロングリスト入りの印。
主演男優賞編。
3賞全てに候補入り
・ブラッドリー・クーパー/マエストロ:その音楽と愛と※
・コールマン・ドミンゴ/ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男※
・キリアン・マーフィー/オッペンハイマー※
・ポール・ジアマッティ/ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ※
・ジェフリー・ライト/アメリカン・フィクション※
いずれか2賞に候補入り
・レオナルド・ディカプリオ/キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン※(BFCA+GG)
いずれか1賞に候補入り
・バリー・コーガン/Saltburn※(GG)
・アンドリュー・スコット/異人たち※(GG)
・ニコラス・ケイジ/DREAM SCENARIO(GG)
・ティモシー・シャラメ/チャーリーとチョコレート工場のはじまり(GG)
・マット・デイモン/AIR エア(GG)
・ホアキン・フェニックス/ボーはおそれている(GG)
注目の主演男優賞は「オッペンハイマー」のマーフィーと「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」のジアマッティ、ふたりは向かうところ敵なしだ。前者は作品が大ヒット&オスカーでも本命視されている。後者は万民に愛される作品、そして無冠の名優ジアマッティを称える声が多い。
「マエストロ:その音楽と愛と」のクーパーは実在の人物レナード・バーンスタイン役で勝負。メイキャップの力も借りながら、50年に渡る時間を演じた。圧巻の指揮も披露している。
「アメリカン・フィクション」からはベテランのライトが厳つくもファニーな存在感を発揮。初めてのオスカー候補に期待がかかる。
「ラスティン」のドミンゴも負けてない。実在の公民権の闘士をエネルギーたっぷりに演じた。ここ数年の目覚ましい活躍もプラスになる。
ディカプリオは「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」で情けない悪役に命を吹き込む。フォローしきれない悪人だけに候補ギリギリの状況。
危険な男を演じさせたら右に出る者はいないコーガンは「Saltburn」でまたしても大暴れ。さすがにオスカーも腰が引けちゃう。
「異人たち」からはスコットが何とかノミネートを狙っている。テレビのイメージが強いが、その繊細な性格演技は高評価。また全米映画批評家協会賞主演男優賞受賞も無視できない。
あと重要賞候補は逃したが「アイアンクロー」のエフロンも頑張っている。体も心も追い詰めたハードな演技はベスト演技との声が絶えない。頼むアカデミー、気づいてくれ。
あと、ボーさんは怖がらなくて大丈夫。オスカーにあなたは勿体ないから。