⑯ 母と認知症と家族のはなし
かぎ針で編み物できるかな?
2023年5月20日〜21日
今月初めての実家訪問。
先月の訪問の際、父が庭仕事中に右手薬指を骨折してしまい、救急外来へ行くというハプニングがあってから約1か月。
父は定期的に通院してガーゼ交換などをしている様子。かかりつけ医には手術の必要は無いが、リハビリを勧められたそう。
しかし、我が道を行く父は自己判断で「リハビリ必要なし」としたらしく現在に至る。
家族が助言しても聞く耳をもってくれないことが多い。
この間、母はと言えば、認知症の進行が疑われる出来事があったようだ。
週に2〜3回、姉の住むマンションまで、1人でバスに乗って行っている母。
とある日、姉のマンションへ到着した母が、
「バスが来なかったから、ここまで歩いて来た。」
と言ったそうだ。
母の足だと徒歩30分以上はかかる道のり。バス路線の道を歩いたらしい。とにかく無事に姉のところまで行かれてよかった。
「歩きだしてもバスに抜かされることはなかったよ。」
と母は言ったそうだが、平日は10分〜15分間隔でバスが運行されている路線なので、そんなことはないはずなのだが・・・
そして、これまで1度も歩いて姉のところまで行ったことはない。なぜ今回は歩こうと思ったのかも謎。
普段、母はスマホにバス会社のアプリを入れており、バスが来る時間を確認したり、遅延があってもアプリで確認することができていたのだ。
それをせずに、なぜ歩き出してしまったのか。いつもなら姉のLINEに「バスが遅れている」などとメッセージを送っていたのに。
これが、徘徊の始まり??
今回は目的地にちゃんと到着できたので本当によかった。母の脚力が意外とあることも判明したので、迷子という最悪の事態も頭の片隅に置いておかねばならない。
今回の私の滞在中にも、ちょっと気になる出来事があった。
お昼を食べ終わってしばらくした時、
「お昼の支度をしなきゃね。」
と言う母。これまで何を食べたかは忘れてしまっても、食事をしたことを忘れることはなかった。
これも、認知症がじわじわと進行しているということなのだろう。
今回の滞在中、久しぶりに母に編み物をしてもらおうと、かぎ針を出してきて、あった毛糸で簡単なコースターを編んでみてもらった。
これくらいはお手の物であっという間にできてしまった。
自分から編み物をしようとは思わなくなってしまった母。でも手が動くうちに、何か作品を編んでもらってみようかなと思い立つ。
何を編んでもらおうかなぁ?
次までに準備しよう。
つづく。