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⑳ 〈番外編〉 母と認知症と墓じまいのはなし

墓じまいの攻略法は?


2023年6月13日

母方の祖父母が眠っている都立八柱霊園にあるお墓を改葬(墓じまい)する方向で決まった。

しかもその手続きを行うことになってしまった私。

さて、何をどうすればいいのやら。

とりあえずインターネットで都立霊園について調べてみたところ「公益財団法人東京都公園協会 」に霊園の管轄があるようだ。

ホームページいくと、霊園についてのページを発見。覗いてみると、

「埋葬・改葬・墓所工事などの使用しているお墓のご相談はお使いの霊園に。 ※年末年始除く」

と書いてある箇所にたどり着く。

今回の墓じまいの相談は、八柱霊園の管理事務所に電話で問い合わせをすればよいことがわかった。


早速、八柱霊園管理事務所へ電話をかけてみる。

プーップーップーッ。

お話中のコール。時間を空けて何度かかけ直し、やっと電話が繋がった。電話口には女性の担当者が出た。


こちらの用件を伝える。

八柱霊園のお墓の継承者がいないので墓地を返還したいこと。そして遺骨を一般埋蔵施設から合葬埋蔵施設へ移動したい旨を伝える。


まず「使用者管理番号」を尋ねられたので、毎年実家に届いていた「東京都霊園管理料納入通知書」に記載されている使用者管理番号を教える。

そして、私が現在の使用者(母)の娘であることを伝え、使用者本人でなくとも手続きが行えるのかを確認する。

代理で手続きは可能との返答だった。

この電話口の女性は、右も左も分からない私に、色々と時間をかけて丁寧に説明をしてくれた。


その内容は・・・

〈改葬に伴う施設変更申請の流れ〉

  1. 取り出したご遺骨をどこの合葬埋蔵施設に納めるか選択する。
    ・八柱霊園
    ・小平霊園
    ・多磨霊園

  2. お墓の原状回復工事 (更地化)を委託する事業者と打ち合わせをする。

  3. 八柱霊園で手続き(*施設変更申請)を行う。

  4. 変更先の合葬埋蔵施設使用許可証が送付されてくる。使用許可証の送付は各受付期間(7月、10月、12月)終了後より、約2ヶ月程度かかる)

  5. 改葬申請の手続きを八柱霊園で行う。

  6. 霊園で発行された申請書を松戸市役所に提出し、 改葬許可証を 受け取る。(*改葬許可証の発行手続きは土日祝日はできない)

  7.  ご遺骨を合葬埋蔵施設へ移送する日と時間を決め、 必ず事前にその変更先の霊園に電話予約をする。(*骨壷は布で包むこと)

  8. 合葬墓へ納骨後、 速やかにお墓の原状回復工事(更地化)を行う。


というものだった。
1度聞いただけでは、なかなか理解が難しい内容であった。聞き慣れない言葉がでてくるだけで頭が混乱した。


まず、知らなかったこととしては、今のお墓がある墓地から、改葬先の墓地を変更できるということ。

八柱霊園は、実家からも私の自宅からもとにかく遠いので、多磨霊園か小平霊園へ変更できれば、今よりはお参りしやすくなる。

さらによく聞くと、この改葬先の墓地候補は、毎年度変更があり、来年度は小平霊園や多磨霊園への変更ができなくなる場合もあるとのこと。

これは、やはり今年中に改葬手続きをせにゃならん!と自分の心に喝を入れた。

そしてこの手続きは、年に3回の期間内(7月、10月、12月)しかできないということ。

もうこうなったら、思い立ったが吉日で、7月の申請期間に動こうと心に決めた。

そしてもう1つ。大切なことを知った。

合葬墓にお墓を移したら、使用者である母と、その配偶者(父)はその合葬墓に入る権利をもらえるのだ。

これはとてもありがたいことである。

実は父は長男である。しかし色々な大人の事情があり、父方のお墓には入らないと決めている。となると両親のお墓の心配があったのだ。


ひと通り丁寧な説明を聞き終わる。

そして八柱霊園管理事務所から、申請に必要な書類を郵送してもらうことにして電話を切った。

電話を切る前に、担当の女性が「分からないことがあれば、また電話してくださいね。」と優しい言葉をかけてくれて、励まされた気持ちになった。


申請については、ややこしい感じが否めないし、色々揃えなければならない書類もありそうだ。

お墓を更地にする為の契約もしなければならないし、いくら位かかるのかも分からない。

私は八柱霊園まで、何度行かなければならないのか・・・。

この「墓じまい」というミッションを遂行することができるのか、この時は不安しかなかった。


つづく。


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