クリスマスイブ、君が生まれた日。第２話

わたしとお父さん
　
　わたしは「統合失調症」と言う、難しい名前のこころの病気です。
　「精神安定剤」と言うお薬を飲まないと生活がおくれません。
　お薬を飲まなかったら、「幻聴」「幻覚」「妄想」と、ありもしない事が本当のように思い込んでしまいます。そして眠れなくなります。緑色の「精神障がい者福祉手帳」も持っています。
　こんなわたしなのに、お父さんは、
「オレがこころの病なんか、治してやる」
と、プロポーズをしてくれました。そして結婚しました。しばらくすると、わたしはお腹の中に命を宿しました。ミラクルです。
　それがわかった、産科クリニックの医師は言いました。
「当クリニックでは精神科の患者さんの分娩は、お断りします」
　すぐさま、精神科の主治医と相談して、お薬をへらして、この街で一番大きい、二十日大根病院の産婦人科に紹介状を書いてもらいました。予定日はクリスマスです。この病院には精神科もあります。

続く
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