13日目

本当は昨日書きたいことがあったのに書けなかった。何が書きたかったのか今となっては思い出せない。

「今となっては」という言い方は、題名は忘れてしまったが文豪の小説にあったものだ。特に変わった言い方ではないこの言葉はすごく素敵に見える。時の流れを感じる。その流れを自分は眺めるしかない虚しさや無力感が中心に在りつつ、時の流れという壮大なものに対して自分というちっぽけな存在を改めて実感し恐れおののく気持ちを少し混ぜ込んで、そんな当たり前のことでナイーブになっている自分をとても冷めた目で見ている冷徹さを上品に纏う。素敵だ。

言葉は好きだ、ただ記号を並べただけでそこから宇宙規模の広がりを見せる。意味だけ、定義だけじゃなくてその言葉自身が持つ雰囲気まで表すのが素晴らしい。
明治辺りの、格調高いような、少し漢字が多いようなところが文字の美しさを感じる。

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