49日目

物心ついたときから変わらない窓の外を眺めながら、この家に充満している(私にとっては)陰湿な空気の正体を考えていた。

親は世間に恐れをなしていて自らを守るためにつくった後ろ指を刺されないためにつくったこの毒ガスの中にいて
とても安心しているようだ
あの人は、世間への不安に頭がおかしくなりかけているけれど少なくともここでは安心できるので
息がしやすそうだ

あゝ酸素が多いってどんな感じだろう、息がしやすいとはどういうことだろう、分からないことを想像することは楽しいことだ
やがて現実との境は溶けてしまうのだから、夢もうつつも揺れて流れていくのだ、ただ慣れ親しんだ息苦しさは運べない


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