ぐんま親子合唱団Earth最後のコンサート
長いこと私の弟が関わってきた親子合唱団最後のコンサートでした。
私の弟はピアニストで、中学生の頃からいろいろな団体の合唱団の伴奏を行なってきました。17歳でピアノリサイタルでデビューして、その辺りからは合唱団の主要スタッフとなり、最後は団長を引き受け合唱団活動をしてきました。
私は左手と右手が一緒のリズムを刻んでしまうリズム音痴で、尚且つ音程も取れない人なので、裏方として合唱団コンサートのチラシ、チケット、ポスター、ホームページなどをずっと作ってきました。
コンサート当日は受付フロアスタッフとして活動してきましたので、実は弟の率いるコンサートを聴いたことがありません。
「すごく良かったよ〜!」と言われても、ありがとうございましたとしか答えられない状況です。一度だけCDを作ったことがあるので、それは聴きました。私の娘たちも団員として参加してましたので、娘たちの声も入ってました、多分(笑)。
その弟も35歳でバイクの交通事故により左腕が腕神経叢損傷の身体障害者となってしまい、片腕でピアノやシンセサイザーを使いながら音楽活動を15年以上続けてきましたが、一緒にやってきた仲間の高齢化や自身の体力の限界を感じ、今回のコンサートで2011年からやってきた合唱団を解体し、もう活動を終了すると決めたようです。
最後のコンサートも受付で対応していたので、やっぱり鑑賞することは出来ませんでした。ちょっと残念かな。
弟は所謂「普通」という子どもではありませんでした。
集団行動が苦手で、幼い頃から先生に言われたことに自分が納得しなければ従おうとしなかったので、学校の先生にとっては扱いづらい子どもだったと思います。
今のように「個人の個性を伸ばす」という考え自体がなく、言われたことに従うことが「正しい」ことであると教育されてきた時代です。私自身、そういうものだと信じて生きてきました。
おかげさまで、今の私は自分が本当に望んでいるものですら何なのかよく分からない人になってしまいました。
でも、普通じゃなかった弟のおかげで何度か立ち止まることはありました。
その時は気づくまではいきませんでしたし、逆に自分は親にとっていい子でいようとすごく頑張ったというおまけは付いてきましたが。
過ぎてしまってから思うと、あの頃の私は頑なだったなぁと。
だからこそ理解できる人もいるので、全ては「善悪」「損得」などで判断してはいけないのだと、今は少しだけ思うことができるのです。
コンサートが終わって感激してくださる方々を見送りながら、お客様とは違うことを考えている私なのでした。