世界最大のテクノロジー見本市③
テクノロジー見本市「CES」にTDKが出展するスマートグラス用に専用フレームを眼鏡フレーム国内最大手のシャルマン(福井県鯖江市)は、開発したというニュースを取り上げる。
要約文
この記事は、福井県鯖江市に本拠を置く眼鏡フレーム国内最大手のシャルマンが、スマートグラス用の改良型フレームを開発したことを紹介しています。この新しいフレームは、スタイリッシュで一体感のあるデザインが特徴で、TDK向けに開発されました。フレームの耳当て部分は12段階で角度調整が可能で、快適なフィット感と使いやすさを実現しています。また、改良型フレームは、音響用のピエゾ素子を小型化に対応し、肌に接触する骨伝導スピーカーのパッド面積を拡大。内蔵された骨伝導スピーカーにより、スッキリとした形状を実現しています。フレームには、長時間の使用でも快適な2種類のチタン素材が用いられています。この改良型フレームは、2023年と2024年のテクノロジー見本市「CES」でTDKのブースにて公開されました。
シャルマンとは?
シャルマンは1968年に設立され、福井県鯖江市に本社を置く主要な眼鏡フレーム、サングラス、および外科用器具のメーカーです。この会社はこれらの製品の開発、製造、および流通において専門知識を持っています。シャルマンの歴史は1956年に始まり、創業者の堀川薫が鯖江で光学産業用のスペアパーツの製造を始めたことに由来します。
鯖江市を拠点に選んだのは、この地域が日本の眼鏡業界における歴史的な重要性に密接に関連しているためです。福井県、特に鯖江市は、高品質な眼鏡製造の主要なハブです。この地域の眼鏡産業は1905年に福井市の一部である正野で始まりました。この地域は元々貧しい農村で、冬の閑散期に追加の収入を得るために眼鏡の生産が始められました。眼鏡の生産はマスナガ工場から始まり、福井市から鯖江市に広がり、「福井鯖江」として主要な眼鏡生産地域となりました。1981年までに、鯖江での研究開発が世界初のチタンフレームを生み出し、この地域をハイテク眼鏡製造の世界的リーダーとして確立しました。現在、福井県、特に鯖江市は日本の光学フレームの約95%を製造し、国内外の市場に供給しています。
シャルマンの成功と成長は、この地域の豊かな職人技の歴史、熟練した職人の存在、そして眼鏡製造における品質と革新を重視する文化に起因しています。
TDKとは?
TDK Corporation(東京電気化学工業株式会社)は、日本の多国籍電子部品メーカーです。1935年に設立され、初めは主に磁気材料の製造に従事していました。TDKの名前は、磁気材料の一種である「トーライト(トリオデ鉄酸化物)」、「デュミックス(鉄酸化物)」、「ケナイト(鉄酸化物系磁性材料)」の頭文字に由来しています。
現在、TDKは電子材料、電子部品、および記録・データストレージ製品を世界中で提供しています。これには、コンデンサ、インダクタ、トランスフォーマ、センサー、電力供給装置などが含まれます。また、近年ではIoT、自動車産業、エネルギー管理、デジタルコンシューマ製品向けの先進技術にも力を入れています。TDKは、その技術革新と高品質な製品で広く認識されており、グローバルに事業を展開しています。
感想
通常、眼鏡フレーム業界は特化されたニッチ市場と見なされていますが、スマートグラスへの着目は非常に賢明な戦略です。日本製の製品は、そのスタイリッシュで高品質な特徴から、海外の富裕層をターゲットにするには理想的です。この市場セグメントは、技術とファッションの融合に価値を見出す可能性が高く、高級品市場での成功が期待できます。さらに、メタバース関連の海外企業との提携を模索することは、新たな市場機会を開拓する上で効果的な戦略となるでしょう。グローバルなブランドとのコラボレーションは、製品の認知度を高め、さらに幅広い顧客層へのアピールに繋がります。このようなマーケティング戦略は、現代のテクノロジーとファッションの融合を求める市場の需要に応えることができるでしょう。
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