JR東、デジタル戦略の誤算
JR東日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略が岐路に立っている。チケットレス化を前提にみどりの窓口の削減に取り組んできたが、移行は想定通りに進捗していない。有人の切符販売窓口では混乱が頻発し、削減計画は凍結を余儀なくされたとのこと。
確かに筆者も、「えきねっと」を利用するが、ユーザビリティの観点で悪いと思っている。
要約文
JR東日本はデジタル化を進める一環として、有人の切符販売窓口「みどりの窓口」を削減し、オンラインチケット販売への移行を試みましたが、このプロセスには問題が多く発生しました。ネット販売システムの使い勝手が悪く、顧客や現場からのフィードバックを無視して進めた結果、混乱が頻発しました。そのため、削減計画は凍結され、窓口数の削減も大幅に遅れています。さらに、コロナ禍の影響で外国人観光客の急増や、高齢者など電子機器の操作に不慣れなユーザーの存在が、予想以上の課題となりました。今後、JR東日本はシステムの改善とユーザーフレンドリーなアプローチに焦点を当てる必要があります。
JR東日本、「Suica経済圏」再構築
JR東日本は、新たに「JRE BANK(JREバンク)」というデジタル金融サービスを始めることで、「Suica経済圏」を再構築します。このサービスでは、専用のインターネット銀行口座を通じて預金や住宅ローンなどの金融サービスを提供し、鉄道利用や駅ビルでのショッピングに使える割引特典も提供します。特に、JR東の新幹線を含む片道運賃を年10回まで40%割引にするなど、ユニークな特典を用意しています。この取り組みは、個人データを活用したマーケティング戦略とサービス開発を進めることを目指しており、テレワークの普及や沿線人口の減少による収益減少に対応する新たな成長戦略として位置づけられています。