【富士山お中道を歩いて自然観察】番外編 萌芽能力を持つミヤマハンノキ
広葉樹の多くは、幹が伐採されると根元から何本もの若い幹が伸びて再生する能力をもっており、これを萌芽更新という。
ミヤマハンノキは高木に育つことはできないが、萌芽を出す能力が高く、萌芽によって増えていく。富士山の遷移初期には雪崩や強風などにより、幹が損傷を受けることが多いので、このような萌芽能力は生育する上で有利である。
スラッシュ雪崩の跡を観察してみると、えぐられた砂礫(スコリア)が1m近く堆積していても、萌芽能力の高いミヤマハンノキは元気に生育していた。一方、萌芽能力の無いダケカンバはほぼ枯れてしまった。