【富士山お中道を歩いて自然観察】8 土壌形成はまだ
土壌は、溶岩や砂礫(スコリア)の風化でできた鉱物の粒子に、植物の落ち葉や枝が微生物に分解されてできた栄養塩が混じり合ってできる。
栄養塩は植物の根によって吸収され、植物の成長に使われる。植物にとって豊かな土壌とは、通気性や水分保持能の高い土壌粒子と栄養塩が十分に保持されている状態を有しているものである。
火山の噴火跡のような遷移初期では岩石の風化が進んでおらず、また微生物が少なく落ち葉の分解も遅いため、土壌は未発達である。お中道周辺でも土壌はごく表層に堆積しているだけである。
カラマツのような大木であっても、根は地中深くに伸長せずに浅く広く根をはっている。
富士山のスバルライン4〜5合目の間で見える極相林の土壌断面を眺めて見ても、極相林になっても根は浅く地表面近くに限られている。
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