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【富士山お中道を歩いて自然観察】1 溶岩上の遷移
(この記事は、観察マップ地点1 についての解説です)
道路を挟んで奥庭駐車場の向かい側(山頂側)に立派なお中道案内看板があります。道路沿いに砂利道を少し進むと石畳の遊歩道が始まります。左手のこんもりとした斜面を観察してみてください。
石畳が始まり少し進むと、道は右に曲がっていく。曲がってすぐの左手側は溶岩流跡のため全体がこんもりと高くなっている。
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ここでは、溶岩上で植物の定着が始まっている様子がみられる。溶岩上には土壌がなく、栄養(窒素など)も乏しく乾燥しやすいので、その様な環境でも生育できるパイオニア植物だけがみられる。
パイオニア植物、先駆種
遷移の過程で、初期のまだ植生が十分に発達していない段階で定着・成長できる植物種のこと。一般に、明るい場所を好み、乾燥や栄養不足に強い。富士山のように雪崩が頻発して地盤が不安定な場所では、傷害を受けても地下茎や萌芽で再生できる植物がパイオニア植物となることが多い。
富士山のパイオニア植物は、カラマツ、ダケカンバ、ミヤマハンノキ、ミネヤナギであるが、栄養に乏しいため成長は遅く、発芽して20年ほどたっても数センチ程度の高さにしか育っていない。
溶岩の隙間を見るとカラマツの実生を見つけることが出来るだろう。
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次回(地点2)は、森の入り口の大きなシラビソにある不思議な傷のお話です。