富士山お中道のリアルタイムな植物のようすを掲載します。
夏から秋へ
大勢の登山者でにぎわった登山シーズンも終わり、本格的な秋を迎えようとしているお中道を歩いてきました。
今年の記録的な暑さは、標高2200mを超えるお中道にも及んで、この日も半袖の山歩きでした。
高温と少雨でキノコも少なく、みつけたものも干からびていました。
カラマツやダケカンバの黄葉は?
秋の空ですが、カラマツはまだ緑です
山頂には笠雲がかかっていました。溶岩上に根を張っているカラマツです。風が強い場 所では幹が立ち上がることができず、這ってい ます。
ダケカンバは黄葉が始まっていました。例年、ダケカンバ→カラマツの順に色づきます。
御庭から見た森林限界の様子。緑に見えるのはカラマツと常緑のシラビソ。ダケカンバが黄色く色づ
き始めています。
イタドリには変化が始まっていました。
イタドリは種子をつけ、葉の黄葉が進んでいました。
森林限界を超えた高所に、黄葉したイタドリの群落が点在しているのが見えます。
いろいろな果実が見られる季節となりました。
コケモモの実も色づいてきました。10月中旬になれば深紅に熟すでしょう。
カラマツの球果も木化して、松毬らしくなってきました。でも種子が成熟するのは来年で、今年はこのまま越冬します。
シャクナゲの朔果。花をつけた枝は新葉を出さなかったので、去年の葉が老化して黄ばんで垂れてい ます。隣の枝は花をつけず、新葉が開いたので元気な濃い緑の葉をつけています。
スバルライン沿いのフジアザミはちょうど見頃でした。
フジアザミはお中道には分布しておらず、標高2000m以下にだけみら れます。日本のアザミの中では最も大きな花をつけ、富士山・富士山周辺に分布しています。
夏の花はほぼ終わり、紅葉・黄葉にはまだ少し早いようです。
まもなく迎える黄葉の季節、次はその様子を報告したいと思います。
前回(7月)のようすはこちら↓
富士山お中道を歩いて自然観察」の連載はこちら↓
「富士山お中道の生物図鑑」の連載はこちら↓