【マリオネットブラザーズインタビュー後編】M-1優勝したら引退しちゃうかも
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――現在はネタに力を入れてらっしゃる印象です。
肉汁:ひな壇でガヤをしたり、リアクションしたり、そういうのをやりたいと思っていたんですが、ネタやんなきゃ売れないなというのに気づいて、仕方なくネタをやり始めた感じですね。
井上:「面倒くせえけど、スターになるためにネタを経ないといけないんだな」ってことね。
でもそこから僕が洗脳していって、今はM-1で優勝できればそれで良いみたいになってるよね。
肉汁:そうですね。もう考えが180度変わりました。
井上:平場が面白い人が多すぎて、2人ともちょっと心が折れたっていうのもあるよね。
特に学生芸人出身の人たちが強いなと感じます。ストレッチーズさんとかさすらいラビーさんは僕が1年生のとき3年生だったので、同世代で、ライブの様子とかずっと見てきたんですよね。同時から平場も面白かったですけど、正直今ほど面白くなるとは思ってなかったです。
肉汁:みんな器用だなと思います。彼らは平場にも力を入れているのに、ネタだけに力を注いでいる僕らと同じくらいネタも面白いんで。自分たちの素質のなさをひしひしと感じますね。
井上:ネタだけだったら対等になれるし、平場が弱いっていうコンプレックスを隠せるので、それもあってネタに力を入れていった結果、完全に平場を諦めてM-1だけを目指すようになりました。
――今はM-1に全振りしているんでしょうか。
井上:完全に全振りですね。作るネタが全部M-1用みたいな感じです。
肉汁:確かにどのネタも計ってみたらだいたい3~4分くらいだよね。
井上:僕が台本書いて、「これ3分20秒くらいかな」って言ったら当たるんですよ。3~4分っていう体内時計がめっちゃ研ぎ澄まされてますね。
でもやってて楽しいネタしかやらないようにはしてます。書いたネタを肉汁に見せて、笑ってくれなかったらボツにしますし、肉汁が出したボケに僕が笑わなかったらそれもボツです。
肉汁:結局自分たちが楽しくて面白いと思っているネタ以外で結果をだしたことはないですね。
井上:楽しく思っている度合いとウケる確率はほとんどイコールになってます。
肉汁:でも(ゆにばーすの)川瀬さんじゃないけど、M-1優勝したら燃え尽きちゃいそう。
井上:ないと思うけど、ゆにばーすさんより先に優勝して引退するのはナシだからな!
――M-1優勝までにどういう道のりを歩きたいでしょうか。
井上:とにかく最短で行きたいですけど…
肉汁:でも、いきなり優勝するのは難しいなっていうのは去年で実感しました。ABCとかNHKとか、まずはそういうタイトルを獲っていきたいとは思っています。
井上:M-1以外の賞レースが本当に弱くて。M-1特化すぎるのかな?自分たちでも理由がわからないです。
M-1特有の予選から続く緊張感ってあると思うんですけど、僕らのネタはそれがフリになってるのかも知れません。もっと言うと、正統派に挟まれていた方がウケますね。
去年のM-1 3回戦は順番がめちゃくちゃ良くて、ダンビラムーチョさん、僕ら、ストレッチーズさんだったんです。準々決勝に行けたのはこの順番のおかげもあると思います。
――今はライブで磨きをかけているんですね。
井上:オズワルドの伊藤さんが「呼び込みでお笑いファンじゃない人が入ってくるようなライブにも出た方が良い」って言ってたんですが、確かにウケるポイントが全然違うんですよ。お笑い好きの方が来るようなライブで外したことない場所がスベるとか。TVの収録とかも、普段のライブとはウケるところが違いますね。
肉汁:ザ・ベストワンに出させてもらったときも、「肉汁」っていう名前の時点でウケたんですよ。僕らはもう「肉汁」が変だっていうの忘れてて…
井上:まあそれは俺らが悪いけどね。
肉汁:初心に帰れましたね。そういや肉汁だったな、って。
売れたらご飯系とかお色気系の仕事がしたくて、そういう内容に引っかかりそうだから肉汁っていう芸名にしたんですけどね。
井上:突然Twitterのプロフィールが「櫻井敬大(ゆきひろ)」から「肉汁」に変わってたんですよ。しかもM-1の3回戦の前日。「ああ、ガチで肉汁で認知してもらおうとしてるんだな」って思いました。
肉汁:初ルミネだったんで、中途半端な名前では行けないなと思ったんです。
井上:櫻井敬大って良い名前だけどね。
★マリオネットブラザーズ
M-1グランプリ2021準々決勝進出
肉汁(にくじる・写真右) 茨城県出身、1995年2月2日生まれ、Twitter→
井上大生(いのうえだいき・写真左) 東京都出身、1994年1月12日生まれ、東京NSC21期中退、Twitter→
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