認知症を承認してほしい父、前編。
ここでちょっと、認知症とばあちゃんの馴れ初めを。
認知症かも?って疑い始めたのは、確か2年くらい前。
初めに気付いたのは私の母。
挨拶代わりの小言がループするようになったり、記憶が混沌としてきてる事に違和感を覚えたらしい。
それを父に言うとね、「両者の意見を」ってばあちゃんの話も聞きに行くわけよ。
偉い。人として。
しかしばあちゃんは筒抜けのショックと、「ボケてると思われてる……!?」というショックで、まあヒートアップしちゃうよね。
結果、喧嘩して真相は掴めず。
元々嫁姑関係はそんなに良くなかったから、父も初めは半信半疑だったと思う。自分の母親が認知症になるとは思わなかったのか、思いたくなかったのか。
そんな父を見て母は「やっぱり根っこではお母さんの事好きなんだね」って。
母は、自分の母親がばあちゃんより少し前に認知症になってたので、何とかっていう資格取ったりして、認知症を正しく理解しようと努力してたのよね。
しかし月日の流れと共に、父も段々ばあちゃんに違和感を覚える事が増えました。
「どう思う?やっぱり認知症なのかな?」
って私に聞いてきた時、そうなんじゃない?って返すと
「早めに診断してもらって、早くから薬飲めば食い止められないかな。絶対治らないのかな、やっぱり。」
と。
認知症かもしれないって半分確信はしてるんだけど、
いやもう多分きっとそうなんだけど、
積極的治療が出来ない進行する病を、
まだ受け止めきれてないように見えた父。
残念ながら認知症を完治させる方法は無いのだけど、
完治できない病で良かった、
知らなかった父の姿を知ることが出来て良かった、
と今は思うよ。
続く。
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