配信アプリの苦悩
前回の続きです。
配信アプリは、配信者に対して一定の固定給を保証することで配信者の確保に成功してきました。一方で、元手となる資金に関しては広告を入れていない配信アプリに関しては基本的には、アプリ内でのリスナーからの投げ銭が元になります。
しかし、この投げ銭というシステムは配信アプリにリスナーがいない初期に置いては殆ど発生しません。リスナーが増えイベント等が充実してきて初めて文化として成立してきます。
その意味で、初期の配信アプリはその殆どが大きな赤字を出していることが容易に想像できます。実際、最近だと今年リリースされた「live live」という配信アプリが初期にかなり高い報酬を設定していましたが、わずか数ヶ月でサービスが終了しました。
配信アプリで収益化を図るには、初期の投資フェーズを耐えるだけの体力が必要になります。今流行っている配信アプリの殆どが母体が大きい会社だという事実もこれを裏付けます。
また投資フェーズが終了し、利益回収フェーズに移行した後も、配信アプリには大きな苦悩があります。
配信者の他の配信アプリへの移籍です。
ライブ配信アプリ市場はまだまだ成長段階で、新しく市場に入ってくる会社が後を立ちません。投資フェーズである彼らは、回収フェーズである既存のアプリの配信者に対して多額の移籍金を出して自社アプリへの移籍をオファーします。
せっかく投資フェーズを経て、利益回収段階に入ったアプリ側としては、その利益源が他社に移動するのは防ぎたいものです。
結果的に利益源が新規のライバル会社に流れることや、抑える為に報酬をよくし、コストを削減できないことが多いようです。
実際、2年ほど前まではライブ配信アプリとしてかなり有名だった「stager live」は、新規の配信アプリ登場の中でライバーが流出し、現在ではサービスが終了しています。
既存の配信アプリを投資フェーズと回収フェーズに分けるとしたら、著者のイメージとしては、こういった感じです。
投資フェーズ←---------------------------------------------→回収フェーズ
rakuten , bigo , doki doki , pocpcha ,live me, showroom ,17live
新規の配信アプリや競合が増えてくる中で、一度配信者が増え、回収フェーズに移行した配信アプリが、再び投資フェーズに戻ることも多いです。
この配信アプリ戦国時代の状況はしばらく続くのではないかと思っております。配信アプリが安定して収益を得るようになるのはまだまだ遠い未来ではないでしょうか。
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