ATEM Mini Extreme ISOでREC(録画)が故障。衝撃の事実が発覚!
普段、HDMI機器が多い場合や収録業務の場合、BlackmagicDesign ATEM Mini Extreme ISOを使っています。
この機種は、ISO録画(パラREC)ができるので、プログラムアウトのバックアップ録画の他、すべての入力チャンネルの映像・音声を個別収録してくれる優れものです!しかも、スイッチングされた情報をそのままDaVinci Resolveのプロジェクトファイルとして保存してくれるので、あとで間違えた場所等を簡単に変更できます!
今回は、ATEM Mini Extreme ISOが故障してしまい、最大の特徴である録画ができなくなってしまったので、復帰するまでどんなことがあったのか、そして、驚くべき事実が判明したので、ご紹介します!
ATEM Mini Extreme ISOユーザーの方にはぜひ読んでほしい内容となっています。
ATEM Mini Extreme ISOが故障
収録業務がある2週間前のこと。
私は基本的にファームウェアやドライバは、最新版にしておかないと気が済まないたちなので、収録日に向けて、ファームウェアをアップデートしていました。
アップデート後、テロップやSuperSourceなどの設定やStreamDeckとの連携設定を行い、配信テストをしていました。その際に故障が発覚しました。
故障の症状
テスト中に、録画テストも使用と思い、外付けSSDをATEM Mini Extreme ISOに接続。私は、SanDisk Extreme Portable SSDをいつも使っています。
このSSDは特にエラーもなく、普段から重宝しています。もちろん、ATEM推奨品です。
外付けSSDを接続後、いつものようにDISKランプが緑色に光りました。
DISKランプは、緑・オレンジ・赤の3パターンがあり、以下のような状態を教えてくれます。
グリーン・・・正常接続/待機状態
オレンジ・・・未対応記憶媒体
レッド・・・収録中
RECボタンを押して、収録を開始したところ、
DISKランプがオレンジに切り替わり、RECボタンをいくら押しても反応しなくなりました!二度見をして、何度か試しても、結果は同じ。
同じSSDをもう1つ持っていたので、それで試してもダメ。
カメラ直付けで使用している同じく推奨SSD「Wise Portable SSD 1TB」で試してもダメ。。
Wise Portable SSD 1TBは、SanDisk Extreme Portable SSDよりも評価が高いSSDです。
ATEM SETUPもおかしい。。。
通常だとUSB認識されたATEMとネットワーク認識されたATEMは、ひとつのATEM Mini Extreme ISOとして認識され、下記のように表示されます。
今回は、ATEM SETUPも表示がおかしくなっており、USB認識されたATEMとネットワーク認識されたATEMが別のスイッチャーとして認識されてしまっています。
なんか壊れている感じ満載です💦
メーカーに問合せしていろいろ試す。
故障か!収録まであんまり時間がない!と慌てながら、メーカーに問合せをして、下記の内容を試しました。
USBケーブルを変えてみる➡効果なし
フォーマットを変えてみる➡効果なし
exFATでフォーマットしてあったのですが、Mac用のフォーマットにしてみてもダメ
①MacでexFTAフォーマット➡同じ症状(挿入で緑、RECでオレンジ)
②MacでHFS+(大文字小文字区別)フォーマット➡挿入しただけでオレンジ
③MacでHFS+フォーマット➡同じ症状(挿入で緑、RECでオレンジ)ATEM Mini ProでRECしてみる➡正常動作
つまりSSDの問題ではなく、本体の問題であることが確定完全リセットしてみる➡効果なし
ATEM Miniの完全リセット方法
ファクトリーリセットは、ATEM SETUPというソフトからできますが、完全リセットは、ちょっとやり方が特殊なのでご紹介します。
電源を抜いた状態にする
ATEM Mini本体上の左端、MIC 1のONを長押ししながら電源を入れる。
MIC 1のONのみ点滅する状況になれば、長押しを離し、USBでPCと接続。 (ATEM Mini Extremeは、本体のUSB Bの方のポートにUSBケーブルを接続する)
ATEM Setupを起動すると「Blackmagic Device」もしくは「Unknown Switcher」という名称で表示される。
以降は、アップデートのときと同じで、製品名左下の丸いアイコンをクリックするとUpdateボタンがでてくるので、それをクリックすればアップデートが始まります。
とリセットまでしたけど、すべてダメな状況でした。
メーカーも初めて聞く症状だそうで、一度見てみないとわからないそうでした。修理してもらおうと相談すると驚くべき事実が発覚しました!
修理するときに発覚した驚くべき事実
購入後、1年間の間に故障した場合、無償交換してくれます。
ただ、私の場合、2年弱つかっているので無償交換対象外。。
まぁそれはわかっていたので、何とか収録前までに修理できないか相談しました。そうすると、びっくりするような回答が返ってきました。
ATEM Miniは、基本的に修理不可商品
ATEM Miniは、修理不可商品。。。だそうで、壊れたら買いなおしという流れでした。20万以上するATEM Mini Extreme ISOが修理不可とは。。。
これから買う方は、ご注意ください💦
詳細を聞いてみると、本社から修理パーツが送られてこないということで、修理したくとも修理できないということでした。
んじゃ、送っても仕方がない。
RECできない以外は、すべて正常に動作しているので、なんとか原因を探るため、いろいろ試しました。
この段階で、収録業務の直前まで経過していたので、とりあえず、仕事はパンダスタジオさんからレンタルして乗り切ることに。
レンタルは下記参照!
https://rental.pandastudio.tv/item/ATEM-Mini-Extreme-ISO/?invite=spfjxB8Ohk
ファームウェアのバージョンを少しづつ下げてみたら一筋の光が!!
パンダスタジオさんからレンタルしたATEM Mini Extreme ISOがちょうど届いたので、試してみると、普通にRECできました。。。
バージョンは、9.5.1。
私のものを同じバージョンにして試すもダメ💦
完全リセットもしたし、どうしたものか。。。と考え込んでいる時にやってみようと思いついたことが、基本中の基本なことw
変えたところといえば、ファームウェアをアップデートしたという部分。もしかして、ファームウェアの不具合?と思い、順次下げていってみようと思いました。
結果は以下の通り。
ATEM Software Control 9.6 ➡(現状)
ATEM Software Control 9.5.1 ➡(ダメ)
ATEM Software Control 9.5 ➡(ダメ)
ATEM Software Control 9.4 ➡ RECできた!!!!!!!
ということで、ATEM Software Controlのバージョン9.4まで下げるとRECできるようになりました!
つまり、物理的な故障ではなく、ソフトウェア的な問題であることが確定したのです。
でも。同じバージョンでも、正常動作する筐体とそうでない筐体があるということになります。俗にいう、当たり商品、はずれ商品というやつですかねw
そんなときに、メーカーさんから、他にも同じ事例が出てきたとの連絡があり、別の方は、thunderboltケーブルじゃないとRECできないという内容でした。通常は、thunderboltケーブルである必要はないのですが、9.6以降はそうなってしまったようです。さらの他の方からは、バージョン9.6.1でも正常にRECできているとの報告もあがりました。
メーカーに送ってみてもらう
検証してもらうため、メーカーに筐体を送り、見てもらいました。
少し待っていると、「なおりました!」との連絡が!!
どうやらファームウェアの不具合だったそうで、リセットをかけても直らない、特殊事例だったようです。
修理は、メーカー専用の復旧ツール(門外不出)で、ファームウェアを復旧したら直ったそうです!
ここまでいくと手に負えないですねw
メーカーから戻ってきて、テストしたところ、すべて初期化されており、自分でリセットをかけても設定が残っていた部分もすべて初期化されていました。通常、ファクトリーリセットが、そうであるはずなんですが、ちょっと違うみたいですねw
アップデートの仕方が悪いとかなにか原因ありますか?と聞くと、そうではないそうなw
なにか特別な原因があったのかもしれませんw
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ATEM Mini Extreme ISOが修理不可商品だったのは、驚きましたが、メーカーさんが丁寧に対応していただき、無償で修理することができました。
物理的に壊れてしまうと、修理できないので、みなさん、ATEM Miniは、丁重に扱いましょう!
もしかすると、私と同じハズレATEM Miniを引いてしまった方がいればぜひ参考にしていただければと思います!
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