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ZOOM LiveTrak L-8の入力の仕様を改めて見直す
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今回は、かなり前から使っているZOOM LiveTrack L-8の仕様を改めて見直してみました。ある程度使い込んで気づいた点をご紹介します。
LiveTrack L-8は、一応デジタルミキサーに分類されるのですが、ほぼアナログミキサー的な感じです。使い勝手が悪いと評判が悪かったりしますが、慣れてしまえば、それなりに使えます!とはいっても、ミキサーとしての機能は、普通のアナログミキサーのほうがいいですw
慣れないと使いずらいのは、否定できませんが、小規模のハイブリッド配信向きです!
ZOOM LiveTrack L-8のおさらい
L-8は、8 チャンネルのデジタルミキサー + マルチトラックレコーダーで、主な特徴としては、以下の機能があります。
最大12トラックの同時録音、10トラックの同時再生
ポッドキャスティングに電話参加のゲストを招待できる、ミックスマイナス機能付きスマートフォン入力
ジングルや効果音を任意のタイミングで鳴らせる6個のサウンドパッド(13個のサンプル音源をプリロード)
4つのヘッドフォン出力:個別のミックスを送れる3系統のモニターアウト
3バンドEQと、余分な低域をカットして聴こえやすくするローカット機能
コーラスやディレイ、リバーブなど8種類のセンドリターン・エフェクト
最大7種類のミキサー設定を保存できるシーンメモリ機能
ギター/ベースなどの楽器入力に対応するHi-Zスイッチ(CH1〜2)
最高24ビット/96kHzのハイレゾ音質で、SDカードにレコーディング
特に気に入っている機能
私が特に気に入っている機能としては、全チャンネルパラRECできるという部分は置いておいて、サウンドパッドとスマホ入力です。
気に入っている理由は、ライブ配信にもってこいだからですw
サウンドパッドでBGM管理
皆さん、ライブ配信のBGM音源は、なにで流していますか?
PCとつないだり、タブレットをつないだり、いろいろあるかと思いますが、サウンドパッドがあると、あらかじめ設定しておいたボタンを押すだけで、BGMを流すことができます。その分、機材を減らせるというメリットがあります。
ミックスマイナス機能付きスマホ入力
使っていて最も便利な機能が、このミックスマイナス機能がついているスマホ入力です。3.5mm4極TRRSピンでzoomPCとつなげるだけで、ちょっと煩わしいハイブリッド配信がとても簡単になります。
PC側の端子がマイクとヘッドフォンで分かれている場合は、マイクとヘッドフォン端子が分岐してある以下のようなケーブルを使います。
SELECT ボタンでスマホマークの部分を選択しておくだけで、ミックスマイナスしてくれるので、ハイブリッド配信の設定完了となります!
これは超便利で、AUXでミックスマイナスした会場音声を返す。。。のようなことを考えなくていいんです!
この機能は、チャンネル8だけに割りあてられていて、フェーダーも使えますし、EQも使えます。この機能は、LiveTrakシリーズでL-8のみに搭載されている機能です。会場の音響設備と組み合わせれば小規模のハイブリッド配信で大活躍します。
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入力の仕様をちゃんと見てみる
メーカーサイトに掲載されているINPUTの仕様は以下の通り。
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XLR/TRS コンボジャックが6入力あります。
チャンネルによって機能が少し異なります。
MIC/LINEコンボジャック Input1/2 Hi-Z機能搭載
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その中でも、チャンネル1と2は、Hi-Z対応で、入力ゲインは
通常、+10 ~ +54 dB なのに対し、
Hi-Z機能のONにすると -3 ~ +41 dB になります。
入力インピーダンスは、通常、XLR 3k Ω、TRS 3k Ω なのに対し
Hi-Z機能のONにすると TRS 1M Ω にしてくれます。
Hi-Z機能とは、よくエレキギターや電子ピアノのような大きな音(ハイインピーダンス)をできるだけ音を歪まないように受け入れることができる機能と今のところ理解していますw間違ってたらすみませんw
音の受け渡しの基本は、ロー出しハイ受けだそうで、ローインピーダンスで出力して、ハイインピーダンスで受けるということが基本になっています。
インピーダンスは、抵抗(合成抵抗)という意味で、入力される抵抗値よりも大きい抵抗値で受けてあげないと、音が痩せてしまったり、ざらざらになったりしてしまいます。
昔習ったオームの法則でいうと、電圧が一定で抵抗値が低ければ、より多くの電流が流れ、逆に抵抗値が高ければ、より少ない電流が流れるというアレです。
MIC/LINEコンボジャック Input3~6 PAD(-26dB)機能搭載
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残りのチャンネル3~6は、-26dB機能があります。俗にいうPAD機能です。PADとは、Passive Attenuation Deviceの頭文字をとっていて、電源を備えていない(パッシブ)減衰機(Attenuation Device)という意味です。
PAD機能は、その名の通り、ゲインステージを下げる機能で、単純に-26dB減衰させてくれる機能です。
Hi-Z機能は、抵抗を高くする機能で、PAD機能は、ゲインを下げる機能という感じです。どちらも音は小さくなりますが、根本が違うということになります。
このあたりの説明は、もっと詳しく説明しているサイトがたくさんありますが、とーーーーっても理解しにくいです。
TSフォンジャック Input7/8
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チャンネル7と8は、LINE入力のみ対応しています。
入力インピーダンスが10k Ωとなります。
ここにダイナミックマイクを入力したら音が小さくなりますので注意です。
LINE入力を前提としているので、入力インピーダンスがマイク入力よりも高くなっています。オンラインサポートをしていると、LINE入力にマイクを入れて、ゲインMAXにしても音が小さいという人が結構いますw
あ、このチャンネル8に私が気に入っているミックスマイナスしてくれるスマホ入力があります!
ここで注目すべきは、「TR」フォンジャックであること。
TSRではなく、TRフォンジャックというところがポイントです。
TRフォンジャックに、TSRフォンを使用すると、その構造上、接触不良を起こす可能性があり、音がとぎれとぎれになったりしますので注意が必要です。
ミキサーによって、LINE入力が、TRS対応かTS対応かが違うようです。
特に安価なミキサーはTS対応のものがあります。
音響を勉強し始めたことは、すべてのフォンジャックは共通で、フォンであれば、TRSだとうとTSだろうと関係なく使えるものだと思っていましたw
その頃は、TRSとTSの違いは、ステレオかモノラルかとしか認識していなかったのですがw
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ミキサーでも、安価なものだと、INPUTフォンジャックがTS対応のものがあります。ただ、安価だからといっても使えないということではありません。
仕様をしっかり把握すれば、十分に機能してくれます。
現に、LiveTrak l-8は、ハイブリッド配信では活躍できています!
(設定が楽なだけなんですけどw)
みなさんも時間があるときに、持っている機材の仕様をながめてみてください!
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