読書メモ:拡張する学校・ヴィゴツキーについて
今、読んでいるよ。「拡張する学校」山住勝広
P101
レフ・セミョーノヴィチ・ヴィゴツキー
高次精神機能(人間独自の意識生活としての自発的注意、論理的記憶、抽象的思考、概念形成、科学的想像力、意志などの働き)の、「文化・歴史的理論」を表した。人間行動が対象に向けられた行為であり、その発達はツール、言語、道具や手段の創造と使用に媒介されている。媒介される行為の概念を、文化に媒介された歴史的に発達する人間の実践的な活動を理解するための鍵となることを提起した。
日本では、1960-70年だいに教育方法論に影響を与えた。
教育・学習と発達を段階論的、静的、測定論的、個人主義的にとらえるものとして、ヴィゴツキーの理論が受容された。学校教育の伝統的なプログラムの文脈に押し込められ、教えることや伝達すること中心の系統学習論へと還元されてしまった。
著者は、ヴィゴツキーの学習論のあり方を、従来ほとんど顧みられることのなかった「新教育運動」との関連性から検討し、生活教育の思想という点から特長づけてみようとするもの。