中国の書家の書体を将棋駒(のCG)にしました [蘇軾]
中国の歴史上の書家の多数の作品をウェブ上で簡単に見ることができます。それらが将棋駒になったらどんな感じかなーと思いましたので作ってみました。といっても私は
書道:まったく書けない。鑑賞は好き。
将棋駒作り:まったくできない。将棋は観るだけ。
ですので、ウェブで見つけた画像をAffinity Designerでトレースして、Blenderで3DCGにしてみることにしました。実物の将棋駒は作っていません。実のところBlenderも素人ですのでお目こぼしを。
何書体かつくっているのですが、とりあえず一記事一書体にしたいと思います。ほかの書体もそのうちにアップします。
最初に作ったのは蘇軾の行書です。
一字駒
一字駒のほうが簡単に思えたのでまずはそれから作りました。作った当初はとてもよくできたと思いましたが、今見るとイマイチですね。
蘇軾の行書は字形が横長で、細かいところが躊躇なく塗りつぶされているのが特徴です。黄庭堅に「つぶれたカエルのようだ」と言われたそうです。1000年前からカエルはつぶれているんですね。縦画が少し右に傾いているのも特徴です。
一夜帖(王)、答謝民師帖(玉・馬)、李太白仙詩巻(飛・金)、覆盆子帖(角)、次弁才韻詩帖(龍)、渡海帖(桂)、洞庭春色賦(香)など、各字の引用元はバラバラです。字によって太さが全然違うので調整に苦労しました。
「金」はそのままだと成桂に見えるのでかなりいじっています。成銀も金との区別が難しいので、NHK一字駒の成銀のような、ひとやねの右払いがない形をイメージして書き下ろしました。成香・と金も書き下ろしです。成桂はひとやねに「主」を組み合わせています。
二字駒
上の一字駒からさらに、二字駒も作りました。「行」が見つけられず、しかたなく書き下ろしたのが気になります。
成銀は普通の形に直しました。
盤に並べたレンダリングも置いておきます。
蘇軾の既存の将棋駒書体
剣心師が「三田千岳書(蘇東坡)」という書体を作られているようです(「蘇東坡」は蘇軾の号です)。といってもこれは書家の三田千岳氏が蘇軾の書をイメージして新たに書いた独自の書体ということのようです。
字母紙(?)
万が一、これらを本物の将棋駒にしたいという方がいらっしゃったときのために字母紙(のようなもの)を置いておきます。改変等もご自由にどうぞ。本物ができたら教えてください。