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長白山に登ろう 中国日記*1998年夏

今年も長春へ。

 今年も懲りずに長春へ行く。ただし、今回は学校の短期留学ではなく、自費で一ヶ月の遊学。旅行代理店には福岡~ソウル~長春の飛行機と、ソウルでの宿を手配してもらい、イザ出陣!

 ソウルで一泊して、アシアナ航空で長春へ飛ぶ。それにしてもアシアナって、機内食が素晴らしいねえ……。
 飛行機の中で、長春市のサッカーチームと一緒になった。右にはザイールから来たという黒人のキーパーさん、右にはコーチさん。私の前の席の男の子(多分韓国人)が、私(日本人)とキーパーさん(黒人)が珍しいのか、しきりと振り向く。キーパーさんは片言の韓国語で彼としゃべっていた。自分のアゴの無精ひげをなでてから、男の子のつるんとした顔をなで、「おぷそーよ」(君にはヒゲがないね!といいたかったのでしょう)と言っては、男の子と笑いあっていた。男の子はなぜだか私も気に入ってくれて、機内食のパンをちぎって私にくれた。あ……ありがとう……!

 やがて飛行機は見覚えのある小さな空港へと着陸した。吉林大学の先生方がお迎えに来てくださっていて、タクシーでまず懐かしの北苑賓館へ。タイルの張替え工事中だった。

いざ長白山へ

 今回の一番大きな目的は、なんと言っても長白山に登ること!
 長白山は中国名で、韓国名は白頭山という。朝鮮民族の心のふるさとだ。山頂の天池が絶景で、向こう側は北朝鮮なのだという。

 午前7時、吉林大学の理化楼の前でバスに乗り込む。それから11時間……。途中で休憩をはさみつつも、延々バスに揺られ続けた。いい加減お尻が痛い。午後5時に延吉という町に到着した。
 延吉は朝鮮族自治区で、町には漢族と朝鮮族とが、見たところ半々くらいかな? もっと朝鮮族の割合が大きいのかもしれない。

 翌日朝7時半バスに乗り、二時間ほどすごく揺られて長白山のふもとへ。元気な人は歩いて山頂へ向かったが、私たち留学生はジープで山頂まで連れて行かれた。
 ところで、今は夏。しかし、先生に勧められて長春でジャンパーを購入した。その理由が、車を降りて初めて分かった。

 寒い!!!

 風が強く、飛ばされそうになりながら天池へと登る。ザリザリした、赤い小さな砂利を踏みしめて、滑りそうになりながら天池が見渡せる場所まで行くが、霧がかかっていて見えない。韓国の人、中国の人、少しだけ西洋の人。みんなが池を囲んで立ち、霧が晴れるのを待った。一度薄く晴れて、今日はこれだけしか見えないと思い山を降りかけたとき。

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見 え た !

 その場にいた人々が一斉に歓声をあげた。なんという美しい風景。

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 長白山は火山だ。(時々大噴火説が出る。また野人と呼ばれるモンスターがいるともうわさされる。)

 火山ということは温泉が湧き出ている。↑の写真は小川から湯気が出ている様子。

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 長白山瀑布。ハングルで「瀑布」と書いてあります。

 ふもとの延吉では、だれが使ったかわからないような毛布にちょろちょろとしか水が出ないシャワー、裏庭には豚の親子が飼われていてわりと騒ぐので気になるようなホテルに宿泊。ちょっと清潔度など気になりましたが、でもそれらをしのぐ楽しさでした。誰かが大切に思っている場所に行くと、やはり何か感じるものがありますね。

長春の変化

 三年目の長春ということで、変化もありました。

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 テレビタワー。新しくできたスポットということで、現地の知り合いに、上の展望台に連れて行ってもらいました。

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 吉林大学の留学生宿舎の裏にできていたハンバーガー店。写真が小さくてよく見えませんが、「星星包汉堡店(スターハンバーガー、とでも訳しましょうか)」というお店でした。一度食べに行きましたが、おいしかったです。

 そもそも長春には確か1996年、1997年くらいまでは西洋系のファストフード店が無く、ケンタッキーフライドチキンが街中にできたときには感激しました。西洋系のが無くても、今でもよく見られるような、欲しいおかずを指さしてトレイに盛っていってもらうタイプのお店や牛肉麺やさんなどの中華系ファーストフードはあったので個食には問題ありませんでしたが、やはり何週間か西洋の風を感じられないと寂しくなるわけです。
 少しずつ長春も「近代化」していくのだろうかと思ったことでした。

(現在の長春はたいへん都会になっています。20年前とは違うんです!)

香港1998

 1998年には初香港体験もしてきました。

 1997年に中国へ返還されたばかりの香港に、友人を頼っていきました。街中では英語広東語が話され、普通話(中国語の標準語)はあまり聞こえなかったように思います(個人の感想です)。

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 友人がいろいろと案内してくれ、観光地にはひととおり行きました。2階建てバスに乗り、スターフェリーに乗り、飲茶を堪能し、書店を訪れ……。

 次に香港を訪れたのは2012年夏でした。その時の話は、また別の機会に。

(終)

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