2006年ウイグルの旅 4*石油の町ポスカム
ウルムチ→トルファン→コルラ→輪台→沙漠公路→ニヤ経由ホータンと旅をしてきた我々が次に目指したのは、ポスカム(前回ヤルカンドと書いていたのは間違いです。訂正します)。ここは石油が出るので豊かなのだそうだ。今回はそのあたりのことをご紹介する。
ホータンは玉の町
知られていることだが、ホータンは良玉を産する。玉は中国文化ではたいへん尊ばれており、君子が身に佩びるものとされていた。我々もトイレ休憩の際にそのへんを探してみると、強い風が吹く中、玉……なのか石ころなのか、ともかくそれらしいものを手に入れたのだった。
分かりにくいが、こんな砂場にも
玉? っぽいものが落ちていた
白い石のほうは、筋目が入ってきれい……な気がする
沙漠でのトイレ事情
沙漠公路はもとより、この旅では、食事や宿泊場所以外ではまともなトイレに出会えなかった。そこでお勧めしたいのが、折り畳み傘。
特に沙漠公路では、砂漠を突っ切る道があるだけだから、道を向いて立つと背後には誰もいない(はず。誰かいるとしたらさまよう旅人、あるいはその亡霊であろう)。したがって、用を足す際には、道を向いてしゃがみ、自分の前に傘を広げて自分の姿を隠せばいいのだ。そういうふうにしゃがんている人がいたらそれはトイレ中なので、誰も敢えて後ろに回ろうとはしないだろう。ただし女性の単独行は危ないかもしれないので、団体旅行のときに試してみてください。
市場
ホータンを出てしばらく(およそ2時間ほど)行くと、集落があり市場ができていた。
馬車が来ていたり、卵の炙り焼きがあったり、
ほかにもポロ(ピラフ)やナンのお店、西瓜を売るおじいさん、などなど多くの出店があった。ここでは金髪碧眼のロシア系と思われる人、茶色い髪のトルコ系、黒目黒髪のモンゴル系など様々な顔つきの子供たちがいて、多民族地域だということを改めて感じた。
オアシスで小休止
またしばらく走り、午後1時半ごろ、とあるオアシスについた。西瓜を購入、のどをうるおす。
水があれば植物が生え、人が住む。水がなければ砂漠となり、無人となる。自然の摂理は単純だ。
オアシスへ帰還する馬車
ポスカム
夕方、ポスカムに到着。前述したように、この町は石油を産出するため潤っているのだという。
広い道路が整備されており、やはり小ぎれいだ。この町ではなんだか良さげなホテルに泊まり、街中の足つぼマッサージ屋さんに行った。
↑我々の乗ってきたバスです
夕飯では、一人の先生が持ってきていたエゴマの葉キムチをいただいた。
ウルムチを出発してからちょうど1週間、このような味が恋しくなっていた。おそらくこのころだったように思うが、どのタイミングだったか忘れたけれどもバスを降りた瞬間に「豚骨ラーメンが食べたい!!」といきなり感じたのだ。福岡に住んでいるとはいえ、私はそう頻繁に豚骨ラーメンを食べるわけではない。しかし豚がタブーである地域に入ってしばらくたって、自分の中のポークが切れたのだろう。ホームシックにかかることはなかったし、日本に帰りたいと思うことは全く無かったが、このときの豚骨ラーメンを希求する心はちょっと持て余したのだった。
(続く)
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