中国日記*1996年夏 その3(終)
この記事はかつて「joyful music」という自サイト(すでに閉鎖)で公開していた旅日記を移設し、加筆修正したものです。
中国で汽車に乗る
8月7日、私たちは長春での勉強生活を終え、北京へと向かった。天津まで汽車で15時間、それから北京へバスで行くのだ。
汽車は「火車(フオチョーhuo3 che1)」。15時間も乗ってたら、日本では相当の距離を移動できるだろう。しかし、中国地図ではほんの少ししか動いてないことになるので、ビックリだ。
13時30分、汽車が動き出す。私たちに与えられたのは「硬臥(インウォ)」つまり2等寝台だ。一つの区画に三段ベッドが二列、向かい合って有る。ベッドは折りたたむことができ、一番下のベッドにみんな集まって座れるのだ。
……座ったところで、何にもやることが無い。そこでunoで遊んだり、くだらない話をしたり、何故かおやじギャグの言い合いっこをしたりして暇つぶしをした。
18時10分、お弁当が配られた。どうやら予約してくださっていたようだ。ゴハンに炒め物が2品ほど乗っていて、あとは殻が青いアヒルの卵の塩漬け、咸蛋(シエンダン)。
20時頃、雨が降り出したので窓を閉めたら、蒸し暑くって閉口した。「冷房がある」と書いてあったのは、ひょっとして、上で回っている小さな扇風機のことか!?
しかも、21時30分になると、全ての灯りと扇風機が消えた(涙)。幸いなことに、雨が止んだので窓を開けることが出来た。
しかし、ほんとになにも出来ない……。目覚ましをセットして、早めに寝ることになった。明日は午前4時半に下車だしね。
北京だ!
午前3時半にセットしておいた目覚ましが鳴り、浅い眠りから覚めた。顔を洗って髪を直したら、すぐに天津に着いた。4時40分。スーツケースを抱えて急いでホームに下り、エスカレーターが止まっていたので階段を延々とのぼる。おかげで右腕が筋肉痛なのだ。
駅前に出てみると、夜中だというのにすごい人だ。お迎えや、外国人狙いのタクシーなのかなあ。私たちは待機していたバスに乗り、一路北京へ向かった。皆、7時までグッスリ寝ていた。そして北京に到着。
初めて天安門広場を見た感想……「広い!広いよ!!」こんなに広くて何もない場所を生まれて初めて見た。あまりにも広すぎてあっけに取られてしまった。
故宮も広すぎる!!! 一日では建物をざっとしか見てまわれませんでした。宝物などが見たかったら、一週間ほど予定を取られることをオススメします。
しかし、翌日に行った万里長城は、まさに「壮観」の一言に尽きる。今の状態になったのは明代だそうだが、今までに一体幾人の人がここに立ったのだろう?春秋戦国時代から今までの歴史をずっと、長城は刻んできたのだ。ある意味、故宮よりも「スゴイ」建造物なのかもしれない。
帰国。
8月12日、私たちは上海経由で福岡に帰国した。長春で3週間ちょっと、北京で5日間を過ごした今回の短期留学班も、もう終わりかと思うと、すごく寂しい。
日本に帰り着いて思ったこと。トイレが綺麗だ! 食器をあらかじめペーパーで拭かなくても良い!! 係員が優しい!!! 暑い……!!!! 帰った日の夜、あまりの暑さに頭が痛くなった(笑)
しかし、私たちはよっぽど小汚かったのだろう。空港で、麻薬犬を差し向けられてしまったのだ。勿論、私たちは全員シロなのだが。
終わりに1996
初めての外国旅行が、今回の短期留学で、本当に良かった。
はじめは「中国思想を勉強するためには中国へ行っておかなければ」などといけ好かないことを考えて行ったのだが、帰ってくると、純粋に「中国が好きだから行ったのだ!」と思える。
絶対にもう一度中国へ行きたい!!……という私の願いは、一年後にかなえられることになったのだった。(終)
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