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百日紅の花

日本の四季は
ありがたいですね。
一日一日、決して同じ日は来ないのに
巡ってゆくものを感じられるのは
季節の違いがあるからではないでしょうか。

まだまだ残暑は感じますが
秋の気配も感じるこの頃です。

そんな中、百日紅がとても美しく
めにとまるなぁと思ったので
そのお話を。

百日紅 ヒャクジツコウ と漢字では読めますが
サルスベリ の方がよく聞きますね。
実際にミソハギ科サルスベリ属の樹木です。

夏から秋にかけて
各地で花を咲かせます。

サルスベリという名前は
幹肌が白くてすべすべしてることから
お猿さんでもすべる、という由来なのは有名ですが
百日紅、の方も
由来があることを初めて知りました。

花が100日咲き続けるから、という説明も見かけましたが、厳密には100日というくらい長く感じられる期間咲き続ける、ということかと思います。
そしてさらに深掘ると
長く花が咲いているようには見えるけれど
ひとつひとつの花は
1日で散るのだそうです。

サルスベリはブドウの房のように
ひとつひとつの花が連なって咲いているため
ひとつが1日で散っても他のいくつかの花が
違うタイミングで1日をカウントして散ることで
まるで絶えず長い間
同じ花がずーっと咲いているように見えるのでしょう。

確かに、近くで見ると
木の下にかわいいピンク色の花が散り落ちているのもよく見かけますね。

でも一見しただけでは
ずっと咲いてるなぁ、綺麗だなぁ
としか思いません。

私は、人も同じだと思うのです。
ぱっと見たり知ったりした時、
持った印象があるとして
でもやはりそれの内実は
1日1日の積み重ねの先にある姿でしょう。

人も花も
1日、1日
いえ厳密には一瞬一瞬
細胞して同じ状態はありません。
生まれ変わり成長からいつしか退化への歩みの過程にあります。
人の毛が、皮膚がぽろりと
知らぬうちに剥がれ落ちているように
サルスベリの花は1日でポトリと散る。
しかしわたしたちはまだ咲いている(同じ状態で生きている)と感じるのです。

100日の永きに咲くかも知れない
でも1日で散るあなたの一部も必ずあるのです
あなたはこの1日
どう過ごしますか?

自然は意図して
人の目を喜ばせようなんて考えて生きていませんが
私たち人間は
こうした自然の中に生きる植物や生き物の生態から
教えてもらうことがたくさんあるように思います。

今日も
ありがとうございます。

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