20年後も残る、5秒間の記憶
基本的には無表情。だからこそなのでしょう。会話の中でほんの数回笑顔を見ることができると、心の中で小さく”よっしゃ!”と思いました。まさに私の中の「部活の顧問像」そのものみたいな方。
今回お話ししたのは、元中学校体育教師で女子バスケ部の顧問。
弱小チームを任される
最初は、試合をすれば100-0で負けてしまうような弱小チームだった。
「そりゃ冴えんよね。子供らも冴えんがるし。」
でも、スタートが0ということは、それ以下はない。上がっていくしかないチーム。顧問の「やるか?」という問いかけに「やる。」と生徒が答えたところから、厳しい練習が始まっていったのです。
私たち世代はスラムダンクが劇的に流行していて、未経験でもなんでもとにかく「バスケがしたいです!」(←わかる人にはわかる)って人が多かった時代。入部してくる生徒は100人を超えていたそうです。そこからふるいにかけられて三分の一の人数くらいまで絞るとのこと。
決勝戦で因縁の対決
厳しい練習にしがみついて残った彼女たちが決勝戦で当たったのは、弱小時代に100-0で負けたあのチーム。そして、勝負を決めたのは最後の5秒。背番号5番の子が打ったシュート、からの相手の反則でさらにフリースローを獲得、そして入れるーーーーーーー!
こんな展開。ほんと、スラムダンクの世界かなと思いました。
結局何が嬉しいって・・・
私がもしこのユニフォーム5番の子なら、誇らしくて仕方がない。試合の結果云々よりも、そんなふうに顧問が自分のことを覚えてくれていて、さらに20年後、まるで昨日のことのように嬉しそうに話しているなんて。
礼儀とか忍耐とか、スポーツをすることで身につくものは色々あると言われます。でも、結局のところ一番心に残っているのは、かけがえのないもう決して戻れない”時間”の思い出なんだろうなと思いました。
それは、選手にとっても顧問にとっても。
補足:ちなみに、私の背番号も偶然にも5番でした!(その情報いらん)
今週の「ひろしまほんと」
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