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滝のような、言葉のシャワー。

久しぶりに、猛烈な速さで話す人に会った。出会った頃から「この人の話すスピードはすごいな」と思ったけれど、次から次へと言葉が出てくる。

はたから見たら、もはや怒ってるんじゃないか?と思うくらいの剣幕で、まくしたててくる彼女。

もちろん怒っているワケではなく、バカンスが楽しかった話から、クリスマスはルワンダでのんびり過ごすんだ、なんていうのほほんとした会話なんだけど。

ただでさえ産後のぼんやりモードの私の脳みそは、久しぶりの言葉のシャワーに必死に回転していく。気の利いた相槌をはさんでいきたいのだけど、聞き取るのだけでも精いっぱい。

なんたって、目の前の彼女は、生粋のパリジャン。フランス語を話す生き物の中でも、とくにスピードが速いので有名なパリジャン。

そう、赤子との生活でぬるま湯につかっていた私は、急激にフランス語のシャワーを浴びたのだ。水圧は間違いなく「強」設定。

子どもの様子を見ながら半年以上ぶりのキャッチアップをしていく。通わせてる幼稚園の話や、次のバカンスの話。

ランチを食べながらも、これからのチャレンジの話や、最近の悩みやらを、高速フランス語でぶわゎぁぁとぶつけてくる。

私が逆の立場だったら、たぶん「外国人の相手が分かるように、ちょっとゆっくりペースの日本語」を使ってしまったと思う。

でも、パリジャンはそんな邪道なことはしない

「パリの人は、何がなんでもフランス語を使うっていうもんね。英語なんて話さないんでしょ?」というのは、今の時代は嘘になりつつある。ツンとした雰囲気のウェイターさんだって、英語の方が通じるなら、英語を使ってくれる時代。

かろうじて相槌を挟めるか否かレベルの私に、目の前のパリジャンは滝のようなフランス語のシャワーをぶつけてくる。

昔、フランス語を勉強していた頃は、フランス語で話しかけても英語で返されるのが、すごく悔しかった。それどころか「日本人は意見がなくてテーブルにいてもつまらないわね」なんて嫌味を言われたこともあった。

こうやって爆速フランス語シャワーを浴びるたびに、そんな過去の傷を思い返す。そして「この人はフランス語で話せる人」と認定してくれたんだという嬉しさがある。

フランス語を使ったのがとても久しぶりだった昨日。相槌くらいしか挟めなかったけれど、良いスイッチが入った。文字通りやる気スイッチというやつ。

次、彼女に会うときは、会話の3割くらいを、私が占めることができるように、頑張ろう。

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asa|minimalish life
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