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【ココロ】自己判断力、自己責任能力を持つ子を作り出すー②「信じる教育」

  ①未来志向の教育
  ②信じる教育

50点の子を作り出す「間違った褒める教育」
奴隷を作り出す「体罰/暴力、暴言の教育」
そして
自己判断力、自己責任能力を持つ子を作り出す - ①「未来思考の教育」
とシリーズのように書いてきました。

①で書いたように、未来に対する想像力と判断力がついたら、今度は「自分の判断は正しい」という自信をもつことが必要です。いつまで立っても大人が手を貸したり、否定し続けては、せっかくの判断力がまた低下してしまいます。「この子たちはできるんだ」と信じて応援する方法です。

何か問題が起こると、親に責任がある、学校も躾をするべきだ、などといったコメントをよく見かけます。誰か(どこか)一つに責任を押し付けるのではなく、子どもを社会全体で見守ることのできる世の中になってほしいと願いします。

今回の「信じる教育」については、読み終えた後にスッキリするよりモヤモヤする人の方が多いかもしれません。実際に「こんなこと一人で行うのは無理だ」「そんな悠長にしていられない。目の前に問題が起こっているんだ!」と意見をいただいたこともあります。

今回のメッセージは「たった一人のあなた」に向けたものではなく、こういった考えをたくさんの人が持つことができたら「あなた」はたった一人ではなくなり、もっと楽な世の中になるのではないかと思います。



ー おさらい ー

頭の中にはメモリがある

頭の中にはメモリのようなものがあると思ってください。

頭の中にはたくさんのメモリがある

その一つ一つのメモリにはタグがついていて「自分」というものを作り出し「わたしとはこういう人間だ」と主張します。

「わたしは走るのが苦手だ」「わたしは絵を描くのが好きだ」

メモリの中には、自分のことだけではなく「自分以外の他人」についてのタグもあります。わたし(自分)がその人(他人)をどのように思っているのかを示しています。そして「〇〇はこういう人間だ」と思い込んでいます。
これは、その人自身がどう思っているか(主観)は全く関係ありません。

「XX君は数学ができない」「〇〇さんは歌がうまい」

さらに、信念や価値など、あらゆるものにも同じようにメモリがあります。
「わたしは〇〇に価値があると信じている」「わたしは〇〇だと思っている」
これらの「印の位置」が人それぞれ違うために意見のすれ違いがあります。「価値観の違い」とはこれです。

「友情よりお金を取るなんて信じられない!」という人は、友情に高い価値をおき、お金に価値を置いてないのかもしれません。反対に「お金が全てだ。お金がなければ自分は卑屈になり、友情さえも大切にすることはできない。だからお金が必要だ。」という人は、友情とお金を天秤にかけた時、お金のほうが重く価値のあるという信念があるのでしょう。

信念や価値

これらはどうやって作り出されたのか?

生まれた瞬間から「わたしは足が速い!」「お金こそ全てだ!」なんて思う乳児はいません。

①周囲の人たちに繰り返し言われた言葉の積み重ねによって出来上がります。
それから、
②自分自身が繰り返し呟いた言葉の積み重ね(セルフ・トーク)によってより強固なものにしていきます。

①周囲の人たちから繰り返された言葉
子どもの頃は家族、学校の先生、習い事の指導者、友人などからの言葉の積み重ねによってうっすらと出来上がっていきます。
大人になると、友人や組織(会社など所属するもの)、組織の仲間などの言葉の積み重ねによって変化していきます。

「わたし」がうっすら出来上がっていく

②自分が実際に発した言葉、頭の中で呟いた言葉の積み重ねでそれを強固にする
周囲から言われた言葉を、実際に発したり、頭の中で繰り返しつぶやいたり(セルフ・トーク)することで、それをより強固なものにしていきます。

肯定的な言葉だけではなく、否定的な言葉を使ったとしてもメモリの印はしっかりつきます。例えば、「足が遅い」と言われたことに対して「わたしは足が遅くない!」とい言い続けたとしても「わたし=足が遅い」という印がつきます。「足が遅い」を覆すには「わたし=足が速い」というセルフ・トークが必要になります。

自分の言葉で「わたし」を作り上げていく

「理想のわたし」を作り出す

最初に“どうにかする”のは相手ではなく自分自身です。

ついつい目の前にいる人をどうにかしたいと思いがちです。
しかし、想像して見てください。目の前にいる相手があなたよりも少し年上で、少しだけ経験豊富なだけなのに、いきなり「君のやっていることは間違えている。正すべきだ!」と言ったとして素直に聞きれることができるでしょうか?

相手があなたの子、あなたの生徒、あなたの選手だとして、「君は間違っている。いますぐ正せ!」と言ったらどうなるでしょう?あなたの方が圧倒的に強い立場なので、言うことを聞くしかありません。それが本当に正しいことだとしても「パワハラ」「虐待」と呼ばれてしまうのです。

あなたはどのような存在になりたいですか?
親として、先生として、指導者として、上司として、先輩として、大人として。
それを考えて見ましょう。

「理想の自分」を描くことができたらセルフ・トークに取り掛かります。

「わたし=できる」を標準にセルフ・トークする

「わたしらしい」「わたしらしくない」「もったいない」「次、どうする?」

<できた>
・わたしらしい!さすがわたしだ!

できた

<できなかった>
・できないなんてわたしらしくない。もったいない。次はできる!

できなかった

挑戦しなかった
・挑戦しないなんてもったいなかった。やればできるのに。次こそやってみよう。

挑戦しなかった

誰かに怒鳴ってしまった。そんな時は「これはわたしじゃない」「なんてわたしらしくないことをしてしまったんだ!」「理想のわたしになるために、次はしっかりとやるぞ!」「次こそは冷静になれる!」と言ってください。


「君=できる」を標準に言葉を使う

自分自身のセルフ・トークをコントロールできるようになったら、今度は自分以外の他人(君)に対して使う“あなたの言葉”を変化させてみましょう。

ここで注意してほしいのは、「君」という存在は「君自身が理想の君」を描きます。「わたしが理想の君」を描いてしまうと失敗します。
紛らわしい書き方をしましたが、選手には選手の目標があり、どんな選手になりたいのかは選手自身が決めます。コーチが決めてはいけません。我が子だからといって、親が子の未来を勝手に決めてはいけません。

「君の望む未来を君なら実現できる」とひたすら信じます。
もっと正確に書くならば「君の望む未来は君なら(本気を出してやれば)実現できる」でしょうか。
やるか、やらないかは君次第。でもやればできると「わたし」は知っている。

「君らしい」「君らしくない」「もったいない」「次どうする?」

<できた>
・さすがだね!
・君らしいね!

できた

<できなかった>
・失敗するなんて君らしくないね。
・もったいなかったね。
・次はできるよ!

できなかった

<挑戦しなかった>
・もったいない!
・やればできるのに!
・次はやってみたら?

挑戦しなかった

目的は「君」の頭の中に「わたし=できる」という構図を作り上げることです。「できる」を標準にした言葉をかけられた子は、自然に自信を持つようになります。そして未来を切り開く力をつけていきます。なぜなら「だってわたしには、わたしを信じてくる人がいる」からです。


まとめ

セルフ・トークは簡単に取り掛ることのできる作業です。

教育現場で生徒が暴れている。そこで「君らしくないね」なんて言ってられるかー!
と言われてしまいそうですが、確かにそういった場面はまた違う対応が必要です。
ここで紹介したのは、そういった場面がなくなるように、普段の言葉を変えてみてくださいという提案です。いざという時のためでなく。

そしてこれらの言葉を使い続けると、不思議なことに伝播していきます。「らしい、らしくない、もったいない」なんてポジティブな言葉には見えませんが、裏側には「信用や信頼」が隠されているので、言葉をかけられた側は嫌な気持ちにはなりません。すると同じような口調をするようになります。

同じような言葉を使う人が増えれば「あなた」も「わたし」も一人ではなくなります。たくさんの人から良い意味の言葉をたくさんかけられた子たちは、良い意味の言葉をかける大人になってくれるでしょう。

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株式会社りとるジム
www.littlegym.jp

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