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『みつぼしart星田2024』開催までの軌跡①

「今年もみつぼしart星田を開催したい。」

それをぼんやりと思ったのが今年の2月、3月頃だった。

でも今年は昨年よりもシロイトの通所者が増え、少ないスタッフで日常の業務に追われ、前回の様にクラファンの準備をする時間的余裕がない。

そんな時、交野市のホームページで補助金の申請のお知らせを見つけた。

以下は「みつぼしart星田2024」までの軌跡を文章にまとめてみたものです。

涼しい顔をして普段活動して風に見られることがありますが、
意外と小さなことに一喜一憂しています。
そしてアナログで、泥まみれでやっております。

「あら? そうだったのね。」

と思いながらお読みいただき、
シロイトの地道な活動を知っていただけると嬉しく思います。

今年2024年4月〜9月の
半年間をまとめた記録です。

デスマス調が混ざっております。
よろしくお願いします。


【4月】はじまり

先月、ホームページで交野市の「交野市まちづくり市民提案型事業補助金」の告知を見つけた。

↑こちらが補助金の告知

早速、法人の理事にこの補助金申請の相談をして、申請書の作成を手伝ってもらうことになった。

忙しく自身の仕事で飛び回る理事が、私に代わって休みの日に少しずつ作業して仕上げてくれた大切な申請書。
これはもう来月のプレゼンを頑張るしかない。

各種書類を揃えて、
締め切りまでに無事に提出することができた。
ドキドキの審査結果待ち。

ちなみに理事には他の助成金等の申請書もお手伝いいただいている。
いつもお世話になりっぱなしだ。

【5月】いざ!プレゼンテーション

5月の吉日、市役所別館にて補助金採択のためのプレゼンテーションが行われた。

この「交野市まちづくり市民提案型事業補助金」の採択を受ける団体の枠は5枠。
応募はそれ以上(7団体だったか)だった。

市のいくつかの部署の職員さんが目の前に審査員として10名ほど座っていた。

各審査員の加点方式で、パワーポイントと資料で勝負する。
プレゼンの時間は10分。
時間は短くても、長すぎても減点になるとのこと。

かなり計画的に進めなければ、
選ばれないと担当職員さんにお聞きしていたので、事前にたくさん練習を重ねた。

資料を作り、タイマーをセットし、シロイトと自宅で何度も仮プレゼンを行った。

スタッフにも聞いてもらったり、
当日の質問にも答えられるよう、
あらゆる想定もした。

結果、本番では10分弱のプレゼンをやり終えることができた。
なぜか職員さんたちからの質問にも全て、
うまく答えられた。(と思う。)

いつか誰もが生きやすい世の中になって欲しい。いや、作りたい。
遠くに掲げる、その想いで突き進んだ。

帰宅後、「やり切った!」と理事とスタッフさんに報告した。

プレゼンに持参した審査員の人数分の資料



【6月】無事に!

11日に交野市から補助金が下りる旨の封筒が届いた。
恥ずかしがらずプレゼンで想いを伝えることができて本当に良かった。
これからイベントの準備で忙しくなりそうだ。

早速、地元星田の商店会に、
第二回目の「みつぼしart星田」を開催したいこと、交野市の補助金が下りることを伝えた。

大好きなソレイユカフェのマスターや
オメザンベーカリーにも行ってご報告。
そして、応援したいと言っていただく。
とても嬉しい。

善は急げ

すぐに準備に突入。

昨年会場としてお店の一画をお貸しいただいた商店を回って、今年に第二回目の「みつぼしart星田」を開催したい旨を相談していった。

同時に、スタッフと親しい方々に応援のお願いして、連絡グループを作った。
皆さん心根の優しい方ばかりで、グループのメンバーのお名前を見るたびに、ありがたく温かい気持ちに。

活動の進化

今回、第二回目開催ということで、交野市に約束しなければならなかったことがあった。
それは、

「第一回目から活動を発展させること」

だった。

それは、単に補助金を出すだけではなく、

「今後も意味のある活動として進化、継続したいならば、どうすれば良いのか、あんさん自分で考えてみなはれ。」

という市の問いかけだと理解した。

だから今回は、
「展示会場」「出品者」「作品数」
を増やすことで、前回よりもさらにバージョンアップさせたイベントにすることにした。

新しい出会いのために、勇気

早速、新しく会場となっていただく店舗も打診しはじめた。
これは昨年同様、かなり勇気のいる作業。

でも外部の人にシロイトの想いを伝えることは、
代表である自分の使命だと思った。

手順は以下の様に踏んだ。(かなりリアルです)

①メンバーさんとスタッフが帰宅した後、少し糖分(クッキー等)を補給し、自分のお腹に気合を入れる。

②昨年のチラシや新聞記事、シロイトのパンフレット、自分の名刺を準備。

③星田の店舗地図を確認。恐る恐る商店や事務所のインターホンを押す。

「あの…突然すみません。アトリエシロイトという福祉事業所です。少しご相談がありまして。昨年こんなイベントを星田でさせていただいたのですが…」

とチラシ類をお見せする。

できるだけ昨年の雰囲気が伝わるように持参した資料

この時点で
「あ!アートの展示やってたね!新聞も見たよ!」
と言っていただくと、こちらも少し声のトーンが上がる。

「それで…もし良かったらなんですが…今年その二回目を開催する予定なので、もし良かったら…良かったらなんですが…、お店の前のこの部分に、これくらいの(手でジェスチャー)、作品を置かせていただくことはできますか…?」

笑顔は絶やさず、冷や汗を隠しながら尋ねてみる。
昨年も思ったが、
なかなか人生でこんなお願いすることはないので、
少し天から
「やってしまえ」
の声を聴いた境地でもある。

そして、

「えー!楽しそう!うちの店で良かったら使って!使って!」

と言ってくださるところもあれば、

逆に
「作品?!いやいや、入口の邪魔になるから置いてもらったら困るわ」

とすっぱりお断りされるところも。

そんな時はメンバーさんの顔が頭に浮かび、申し訳ない気持ちが地に落ちていく。

顔を引きつらせながら、
「では開催の時には商店街の作品を見ていただけますか。よろしくお願いしますうぅ…」

とだけお伝えし、そそくさとお店を出る。

と、こんな感じです。


断りを受けた後は這い上がるのにしばし時間が必要だった。
喜んで、落ち込んで、また復活してと、
本当に気持ちの忙しいこと。

打ち合わせの大切さ

月末に、いつもお世話になっているグラフィックデザイナーの前田敏幸さんとシロイトで打ち合わせすることになった。

その時前田さんに言われたのが、早急に「常時動くスタッフや支援者との主旨確認で、コア打ち合わせしましょう」ということだった。

イベントをする上で、その柱をしっかり立たせることが一番大切だと。
想いと準備作業だけでふわふわしてしまう自分に喝が入った。

早速2日後に前田さん、スタッフかわちゃん、一成君、理事とオンラインで打ち合わせを行い、

・なぜこのイベントをしたいのか
・主旨をおさらい
・2024年の展示のテーマ
・社会的意義
・そもそもシロイトとは?

などなど熱く話し合った。
立ち上げ当初や個人事業の頃から大事にしていた想いも聴いてもらえた。

理解しようとしてくれる人たちに感謝しています。

【7月】招待作家さん

シロイト外部からの作家さんを招待させていただくことになったので、知り合いの作家さんにお声がけしたところ、即答で参加のお返事をいただいた。なんとありがたい。

ここで、
ふるやみかさん
池口友理さん

のご参加が決定。

その後、
昨年も出品いただいた
中谷大知さん

そして
廣田くみこさん
オカジマ・ヨシコさん
ウラタ・スパンコールさん

とご参加のお返事をいただいた。

そして月末の日曜、
オンライン全体会を開き
皆さんと主旨等を確認させてもらった。

【8月】園児さんと制作&招待作家さん現地下見

いしころえん園児さんと制作

実は春から計画していた、
交野市にある
森のようちえん「いしころえん」さんと
シロイトメンバーの共同制作イベント。
今月無事に開催できた。

かわちゃんがリーダーとなり、ワークショップ形式で、0歳〜55歳までが一緒に描いた。

子どもさんと関わることができたことは、シロイトメンバーにとっても貴重な経験となった。

シロイトメンバーの紹介をする時に

「ここにいる大人の人たちは、アトリエShiroiToで制作を続ける絵描さんです。」

と紹介できたことが嬉しかった。

「障がい者」と認識されることが多いメンバーさんだけれど、

シロイトで日々行っていることは
紛れもなく、

「作家活動」

だから。

全員の集合写真
透明シートに絵の具で思い切り描きました。
これでこそいしころえん児さん!
園児さんのきょうだいを抱っこしながらのかわちゃん


この日、完成した作品は「みつぼしart星田2024」の会場で展示予定。

招待作家さん現地にて下見

作家さんに実際に現地会場の確認と打ち合わせに来ていただいた。

今年は本当に本当に暑い中、
奈良や大阪から星田にお越しいただき、
ありがとうございました。

シロイトにある画材や資材等も使えるものは使っていただくためその相談や、
補助金から材料費の一部をお出しするものの、潤沢な資金があるわけではないので、

招待作家さん方も
「持っている画材でなんとかやってみます!」など、ご協力いただく部分が多く出てくることになった。

シロイトの想いにご賛同いただけた上に、
イベント成功のために手弁当を許してくださる、
そんな心意気の招待作家さん方に
心から感謝です。
ありがとうございます。

廣田さん、池口さん、ふるやさん、ふるやさんの活動を支えるシャミさん
廣田さんがアクリル板を抱えて設置場所の確認。後ろは池口さん。


【9月】募金箱とSNSでの呼びかけ

イベント開催に向けて、何軒かの商店に募金箱の設置をお願いすることになった。

画材以外にも、刷物や人件費など、
見えない部分でかなり費用が必要なため、
少しでもご寄付を集めることができればとの思いで、スタッフとメンバーで募集チラシと募金箱を作らせてもらった。

即席だけど想いはいっぱい詰まっています!
かわちゃん、いつもありがとう!
かわいい旗🚩


そして、

SNSでもご寄付を募って、
私のnoteと共に呼びかけている。

投稿を見てすぐに口座に送金してくださった方もいらして、
大変感激しています。
ありがとうございます。


前回のnoteはこちら


さらに招待作家さんが2名


9月中旬、

上山孝明さん
岩橋良昌さん

新しくご参加のお返事をいただきました。
どうぞ宜しくお願いします!

告知チラシの準備

月末の土曜晩に、前田さん、かわちゃん、理事と、オンラインでチラシの打ち合わせを行った。
そこに載せる文章は、シロイトの想いがつまったもの。
一言一句、皆で推敲を重ねる。
途中、
「小原さん、起きてますか?笑」
と前田さんの声。

時間はあっという間に2時間経ち、
最後は日付が変わっていた。

あとは前田さんに招待作家さんの作品写真を入れてもらって、最終確認の予定。
もう少しで完成だ。

「きっといいものができる!」
心たかぶる気持ちを抑えて、
眠りについた。

前田さんに作っていただいたみつぼしart星田のロゴの記事はこちら

このnoteの最後に、
シロイトメンバーについて

さて、あっという間に「みつぼしart星田」展示まで1ヶ月ちょっととなりました。
この半年間の間、シロイトメンバーはどの様にお過ごしだったかというと、
「みつぼしart星田」の制作に励む方、いつも通りのんびりされる方と様々。

かなりデリケートな方もおられるので、
スタッフの方でも無理なく日常を送れるよう
ケアしつつ展示の準備をお手伝いしています。

制作風景を少しご紹介。

Ayamiさんは、布にアクリルで着色。
ローラーで楽しく描く楠川さん
MAKOTOさんは幼い頃から工具の扱いに慣れています
erinaさんの作品はどの商店に飾られるのか
木材にたっぷりと絵の具を塗る泉さん
こどもアートの皆も横断幕の制作をしてくれています!
地域から来られているおとなアートの皆さんもご自身のペースで制作を楽しまれています。



というわけで、
半年間の記録はここまでです。

みつぼしart星田開催まで、
残すところ1ヶ月となり

逸る気持ち、焦る気持ち、
ワクワクなどなど、
様々な感情がやってきてはいますが、

限りある時間を有効に、
皆さんの体調管理もしつつ
作品設置当日まで進んでいきたいと思います。

それでは、また次の記録まで。
引き続きよろしくお願いします!

つづく…


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