生活介護事業所立ち上げまでの記録#1
これまでは「アトリエをはじめて」の#1と#2で、アトリエでの様子を書いてきましたが、
今回は、以前から少しずつ下書きを進めていた、
この『生活介護事業所立ち上げまでの記録』も
徐々に公開していくことにしました。
まだ事業は立ち上がっていないし、
単なる記録の記事ですが、
いつか誰かの役に立つかもしれない。
春から、以下を日記のように綴っていました。
今年の4月〜8月の記録です。
2021年4月13日
先月から生活介護施設の立ち上げのために企画書を書き始めた。
今主宰している造形絵画のアトリエを続けながら、
生活介護施設も運営する方法を模索している。
目標にしている案は、
「世代間交流型アートスタジオ」
そういう感じのがやりたい。
今のアトリエの良さを継続したい。
必要な人ために生活を支えるお手伝いもしたい。
そして、講師仲間や、アート好きな人たちと協働でできることがあったら嬉しいなと想像している。
とにかくこれを企画書面でわかりやすい文章にしなければならない。
およそ構想ができてきた段階で、
今日夫に見せると、
「内容に飛躍があるからそれちゃんと説明したほうがいいで。」
と言われたので、
また書き直す。
普段することのなかった企画を文章化する作業、
難しい。
4月22日
今日は朝から、アトリエの保護者の方に紹介していただいた行政書士さんに、電話で事業所立ち上げの相談をした。
施設を始めるまでに何から始めればよいのかが全くわからなかった。
まずは一緒に働くスタッフさんを探すことが第一で、
次に物件を検討し、
その後、利用する人を募集する
という順番が良いのではないか、とのことだった。
「アートの生活介護施設を運営しながら、地域と継続的に繋がりたいんです」という話しをすると、
「素晴らしいことなので、是非頑張ってください!」
とエールをいただく。
4月28日
今日は、以前お仕事をご一緒したことのある社会福祉士の方に電話をして、
私が先月、同じく社会福祉士の資格を取得したこと、
そして、今考えている今後の計画をお話した。
その上で、
「実はスタッフ(サービス管理責任者)をさがしているので、できれば事業を一緒にやってもらいたいと思っているんです。」
とお伝えした。
お返事は
「今の仕事の調整があるので、すぐには難しいですが、わかりました。」
とのことだった。
長くお会いしていなかったし、勇気も要ったが、お願いして本当に良かった。
これで、ずいぶん前進した気持ちにさせてもらえた。
ありがとうございます。
何事も勇気。
5月6日
昨年インターンでお世話になったアート系の生活介護施設の代表の方に連絡をして、新規事業の企画書の相談に乘っていただいた。
この企画書にはまず、企画者の志をはじめの方に持ってくること、
それから、
例えば、
*「地域の支援者や応援してくれそうな市会議員向け」
*「行政向け」
*「スタッフ募集用」
*「アーティスト募集用」
など、企画書を種類分けして数種類つくるとよいこと、
他にも、
対象者ごとに様式を変えて訴えかけていかなければならないことや、
この事業所でなにができるのか、
それは身の丈に合っているのか、
無理をすることにならないか、
スタッフ、場所、受け入れ体制など、
考えるポイントをお教えいただいた。
その時お見せしたものは、
上記の「地域の支援者や応援してくれそうな市会議員向け」に当たるようだった。
そのあたりの線引きが自分の中で曖昧だったため、
新たな視点をいただけたような気持ちだ。
頑張ろう。
5月20日
今日もまたアートの生活介護施設の方に企画書の相談に乘っていただいた。
今月はこれで三度目だ。
お陰さまで、スタッフ募集用と、ご利用者募集の二つの企画書の骨組みができた。
文章の中に自分の志を投入するポイントが
だんだん理解できてきたように思う。
よし。
5月29日、30日
アトリエで地域と交流するイベント『アートマーケット』を開いた。
メンバーの人たち(大人も子ども)が何か月も前から販売用の作品やクラフトをつくり、商品化。SNSやチラシで発信。
ちいさなマーケットだけれど、
地域のどなたでも足を運んでいただけるようにしたが、
このような時期なので、入室は6人ずつでお願いした。
商品は来場者が想像以上に買ってくださった。
関係者以外の人がこんなに来てくれるなんて。
収益は、アトリエの皆さんが共同で使用する画材費用に当てさせていただく予定です。
この地域とつながるイベントは、施設が始まっても続けて行きたいと思う。
6月8日
今日はアートの福祉施設の方にご紹介してもらって、長田にある生活介護施設に見学に行かせていただいた。
こちらは重度の方々も受け入れて、アート制作を主な日中活動とされている。
遠方からも通う人もおられて、ここがどれだけ必要とされている場所なのかが感じられた。
メンバーの皆さんの制作風景を拝見したり、代表の方にもじっくりお話しをうかがうことができた。
全てが大変興味深く、気づけば3時間が経過していた。施設の皆さんがご利用者さんをとても大切にされていることが伝わってきて、じんときた。
これからも繋がっていたい場所です。
6月某日
友人から交野市の物件情報をもらったので、管理会社に行った。今進めている計画についてお話しをさせていただいたところ、「お手伝いできることがあれば言ってください。」と言っていただいた。
そして新たに福祉に使えそうな物件もご紹介いただいた。
人のために「何かしたい」と思っている人は、
自分が思っていたよりも多いのかもしれない。
色んな人と話しをする大切さを実感した。
7月5日〜10日
大阪市曽根崎のギャラリーRYOさんで12名のグループ展を開いた。
アトリエで制作を続けている6人の方々と、私が繋がってもらっている作家さんたち5人、そして私。
タイトルは『たぐってたどる』。
作家たちも訪れた人たちも、さまざまに何かをたぐり寄せ、たどり着いてもらえたら嬉しい。
企画を一緒にした作家さんと、
そういう思いも込めて名付けた。
障がいのある作家さんばかりのグループ展ではなく、
障がいがあっても無くても参加できる、
お互いに刺激し合える、そんな展示にしたかった。
一週間の展示で、作品を多くの方にご覧いただき、
出品していた作家さんたちも作品を通して交流してもらえた。
アートは間口が広い。
この会期中に、デザイナーやアーティストの友人も足を運んでくれたので、作品鑑賞してもらった後、これから自分が実現したい計画を話した。
「アートの施設をつくって、こんな風に展示会もしたいんです。」等々。
作成してあった企画書は常に持ち歩いていたので、
ビジュアル面からも話しがしやすかった。
「協力します!」とその場でお返事してくれた人や、
福祉の専門家をご紹介いただいたり、
急激に計画の協力者が増えた。
とてもありがたい。
これからもアンテナを張り巡らし、
準備や、こちらからの発信も怠らないようにしよう、
そう思った。
一つ動くと流れが変わる。
人の心に何かを訴えかけたいときは、
行動、話す、書く、
それから「継続」が、とても大切かもしれない。
ギャラリーRYO様、お越しくださった皆様、参加してくれた作家さん方、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
7月13日
今日はnoteに下書きしていた文章をとうとう公開した。
こちらです。
先日のグループ展で協力してもらえることになったデザイナーさんと介護の専門家の方に強く薦めていただいたこともあり、自分の思いを文字にして周囲に伝えてみることにした。
ただ、
自分の中で大きな計画すぎて、
公開してもSNSでシェアする勇気が出なかった。
その事を友達に話すと、
「シェアしな意味ないやん!」
となった。
7月14日
朝から頑張ってnoteをシェアしてみた。
予想外に反響があった。
読んだ人たちが、
またシェアしてくれて、
応援メッセージやコメントをたくさんいただいた。
「勇気を出して良かった。」
わかっていた。結局簡単なんです。
一歩踏み出すだけ…
でもそこが大きなエネルギーが要る。
そういう時、友達の一言が大きな力をくれる。
本当にありがたいことです。
7月20日
今日は、大阪府の地域基盤推進課に電話で問い合わせをした。
検討している物件の1つについて、福祉での使用が可能かどうかを聞いてみた。
障がい福祉の方面からの条件は満たしているとのことだった。
駅からも近く、綺麗な場所だ。
ただ、一緒に働く予定のスタッフさんや福祉関係の方にご意見をうかがうと、足の弱い方や重度の行動障がいのある方が通うのが難しい場所のようだった。
何を大切に事業を運営するのか。
この場所はやはり難しい。
考えることはたくさんある。
一瞬だけ、少し先が遠く思えた。
7月28日~8月3日
作家仲間にお誘いいただき、一作家として、先月はギャラリーのグループ展、今回は百貨店でのイベントに参加した。
このイベントに参加させてもらったお陰で、一気に仲間が増えた。
施設立ち上げについて話を聞いてもらったり、
普段のアトリエのことも興味を持ってくれる仲間だった。
やはり行動すること、人とのつながりを楽しむことは今後も続けて行こう。
それから、会期を通して、
作家は命をかけて作品を描いているんだなとか、
作品は人生そのものだなとか、
やっぱりそういうことを感じた。
それから、
この会期中にデザイナーの前田さんに、
スタッフ募集用と、メンバーさん募集の企画書を
チラシにしてもらった。
私のワードの読みにくい文章が、綺麗にレイアウトし直されて読みやすくなった。
デザインの力はすごい。
この力は人を動かす。
必ず、恩返ししたいと思う。
8月13日
今日は、地元で活躍されているデザイナーさんと、ようちえんを運営されてる代表の方にお話をうかがった。
人と人がつながっていく方法や、
これまでどんな歩みで進んでこられたのかなど、
じっくりお聞きし、また、私の計画についても、
今後どのように周囲にオープンにしていけば良いのかなど助言していただいた。
何かを成し遂げている人たちの話は、
ジャンルを超えて共通する「強さ」を感じる。
その域まで自分を持っていきたい、と思った。
8月31日
今日は先日の、ようちえん代表の方からご紹介いただいて、ある方にお会いした。
地元で「子どもと大人の居場所」を作られていて、元気で笑顔の素敵なママさんだった。
3歳のかわいい息子さんも一緒だった。
お互いに持っている夢や計画を言い合って、意気投合。
その居場所のある建物を、私が計画中の未来に活かしませんか、という話しになった。
この方とは、似たような思いや、
笑ってしまうような不思議なご縁もあり、
それがバロメーターというか、
なんだかこちらにも良い流れが来ているように思えた。
出会わせてもらえてとても感謝しています。
こういう時は、自分の感情を良い状態に保つ努力をしたいと思う。
なにごとも繋がっていて、自分の意識下のことが
起こる事象に影響を与えている気がする。
なるべく分解して、
ふんわりと、
あるいは、よく考えて、
楽しみに、前に進みたい。
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