『蝶々夫人』Kバレエ カンパニー(東京文化会館)
予想よりも豪勢な舞台セットや衣装だった。新国立劇場の簡素な舞台、演出とは大違い。予算規模が違うのだろうな。
浮世絵に見られるような日本女性の頭部が描かれた幕は、照明を当てると向こう側の舞台が見え、当てないと不透明になるもので、演出に効果的に使われていた。
躍動感のある振付で、華やか。
日本的イメージを多々利用している。欧米の人や現代の日本の人も(?)喜びそうな演出というか。
着物風衣装、日本の童謡や昔の歌の取り込み、すり足やお辞儀の動きがあった。
冒頭、君が代と切腹(?に見えたが、喉をかき切っていたのか?)で始まったのには閉口した。アメリカ海軍士官ピンカートンの登場ではアメリカ国家が流れるという、あえてベタでわかりやすい使い方をしているのだろう。
全2幕、休憩を入れないと約2時間だが、1幕も2幕もやや中だるみしたかも。
最後はプッチーニのオペラの曲が荘厳に鳴り響くのだが、幼い子どもがいるところで母親である女性=蝶々夫人が自害するという最悪の結末。オペラのとおりのようだが。昔オペラを見たときも話の内容には吐き気がしたな・・・。
5階席、しかも脇の端の席で、舞台の一部は見切れていたが、オーケストラピットの一部が見えたのはよかった。演奏しているところを見ながら聞くと、余計に音楽に感動してしまう。
主演の飯島望未、ジュリアン・マッケイはどちらも美しかった。